• ホーム
  • 細胞生存:ユビキチン化が生と死を制御する

細胞生存:ユビキチン化が生と死を制御する

Cell Survival Ubiquitination Controls Life or Death

Editor's Choice

Sci. STKE, 13 March 2007Vol. 2007, Issue 377, p. tw82
[DOI: 10.1126/stke.3772007tw82]

Nancy R. Gough

Science's STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : 腫瘍壊死因子(TNF)は、細胞がシグナルをどのように受け取るかに応じて、細胞死や細胞生存を誘導できる。O' Donnellらは、Jurkat T細胞において、受容体相互作用タンパク質1(RIP1)のリジン63のユビキチン化が阻害されると、これらの細胞は、野生型RIP1を発現するTNF処理細胞と比べて、TNFに応じたアポトーシスが増強されることを示している。RIP1ユビキチン化は、RIP変異体の発現またはユビキチン連結酵素TRAF2(E3ユビキチンリガーゼ)やUBC13(E2ユビキチン結合酵素)のドミナントネガティブ体の発現のいずれかにより阻止された。アポトーシスの亢進には、核因子κB経路を介するシグナル伝達の低下は関与しなかった。野生型RIP1を発現する細胞はアポトーシスをほとんど示さなかったのに対して、RIP1を発現してTRAF2活性を阻害した細胞は最もアポトーシスを示した。これらのことは、RIP1のユビキチン化状態がアポトーシス促進性シグナルを発生させるのか生存促進性シグナルを発生させるのかが決定することを示唆する。RIP1は、カスパーゼ8の活性化によってアポトーシスを促進し、RIP1ユビキチン化変異体の場合には、RIP1はプロカスパーゼ8との刺激依存性の会合の増大を示した。RIP1ユビキチン化変異体を発現する細胞では、カスパーゼ8のプロセシングが増加していた。以上より、RIP1のユビキチン化は、カスパーゼ8との相互作用を阻止するようである。これらの結果は、アポトーシス促進性メディエーターと生存促進性メディエーターという、RIP1に割り当てられた相反する役割を説明するものである。TRAF2によるRIP1のリジン63のユビキチン化により、RIP1はアポトーシス促進性シグナルの送信から生存促進性シグナルの提供へと切り替わる。

M. A. O'Donnell, D. Legarda-Addison, P. Skountzos, W. C. Yeh, A. T. Ting, Ubiquitination of RIP1 regulates an NF- B-independent cell-death switch in TNF signaling. Curr. Biol. 17, 418-424 (2007). [PubMed]

N. R. Gough, Ubiquitination Controls Life or Death. Sci. STKE 2007, tw82 (2007).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る