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加齢:Baxがなければ良いのか?

Aging: Better Without Bax?

Editor's Choice

Sci. STKE, 27 March 2007 Vol. 2007, Issue 379, p. tw98
[DOI: 10.1126/stke.3792007tw98]

Elizabeth M. Adler

Science's STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : 50歳前後になると、アポトーシスによる卵胞の欠乏が女性の周期性卵巣機能の喪失をもたらす。その結果、閉経がさまざまな健康問題のきっかけになると考えられている。加齢しつつあるメスマウスは閉経しないが、卵胞の欠乏と閉経後の女性と同様の健康問題を経験する。アポトーシス促進性のBaxを持たないマウスにおいて、卵母細胞の喪失が軽減されることを以前示したPerezらの研究グループは、Baxのノックアウトが加齢しつつあるメスマウスの健康に及ぼす影響について調べた。メスのBaxノックアウト高齢マウス(KO)は、野生型マウスよりも痩せていて活動的であった。毛量は多く、白内障の発症率は低く、皮膚のしわは少なく、骨は強固であった。行動解析により、高齢KOマウスは、野生型マウスよりも不安になりにくく、注意力が向上していたが、前後関係の記憶が乏しいことが示された。若年KOマウスは、妊娠の可能性が野生型マウスよりも低かったのに対して、やや高齢のKOマウスは妊娠の可能性が高かった。高齢KOマウスは妊娠できなかったが、ゴナドトロピン処理に応答して排卵し、卵巣組織をメスの野生型若年マウスに移植すると、卵母細胞から生きた胎仔が生まれた。高齢KOマウスは、血清中の卵胞刺激ホルモンの濃度が野生型マウスよりも低下していたが、血中エストラジオール濃度は同程度であった。卵巣摘出実験により、Bax欠乏が骨に与える影響には卵巣依存性と非依存性の両方のメカニズムが関与することが示された。著者らは、卵巣機能を保つことが加齢しつつある女性の生活の質を向上させるのではないかとの結論に達した。

G. I. Perez, A. Jurisicova, L. Wise, T. Lipina, M. Kanisek, A. Bechard, Y. Takai, P. Hunt, J. Roder, M. Grynpas, J. L. Tilly, Absence of the proapoptotic Bax protein extends fertility and alleviates age-related health complications in female mice. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 104, 5229-5234 (2007). [Abstract] [Full Text]

E. M. Adler, Better Without Bax? Sci. STKE 2007, tw98 (2007).

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