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神経生物学 
イントロンを入力する

Neurobiology
Enter the Intron

Editor's Choice

Sci. Signal., 19 February 2008
Vol. 1, Issue 7, p. ec60
[DOI: 10.1126/stke.17ec60]

L.Bryan Ray

Science, Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : イントロンを含む、スプライシングが不完全なmRNAは、核内に保持されるか、または細胞質に移動すると分解されるものと通常は考えられる。しかしBellらは、イントロンを含むmRNAがニューロンにおいてKチャネル分布の調節に機能していること、それによって細胞の発火特性に影響を及ぼす可能性があることを報告している。著者らは、膜電位と細胞内カルシウム濃度の変化に応答して活性化して海馬ニューロンの発火特性を調節する、大コンダクタンスCa2+感受性K(BKCa)チャネルについて研究した。培養ラット海馬ニューロンにおいては、イントロン16(i16)を含むBKCaチャネルαサブユニットをコードするmRNAが、そのチャネルタンパク質をコードする細胞質の転写産物の約10%までを占めることが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS)塩基伸長法によりわかった。また著者らは、量子ドットに基づくin situハイブリダイゼーション法を開発し、樹状突起の細胞質中にi16を含む転写産物が勾配を形成して存在していること、またその濃度は細胞体から離れるに従って反比例的に低下することを明らかにした。i16を含むmRNAをsiRNAによって特異的に欠乏させると、BKCaチャネルの局在性が変化し、樹状突起スパインにおいて繊維状アクチンと共にチャネルが局在する確率が低くなった。またi16を含むmRNAの欠乏によって、処置したニューロンの興奮性も亢進した。著者らは、これらの作用が選択的にスプライシングされるmRNAの発現に由来する可能性を提案し、細胞質内に局在するイントロン含有mRNAが、ニューロン膜の興奮性を制御するこれまで未知の機構であることを示唆している。

T. J. Bell, K. Y. Miyashiro, J.-Y. Sul, R. McCullough, P. T. Buckley, J. Jochems, D. F. Meaney, P. Haydon, C. Cantor, T. D. Parsons, J. Eberwine, Cytoplasmic BKCa channel intron-containing mRNAs contribute to the intrinsic excitability of hippocampal neurons. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 105, 1901-1906 (2008). [Abstract] [Full Text]

L. B. Ray, Enter the Intron. Sci. Signal. 1, ec60 (2008).

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