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タンパク質ドメイン
リン酸基の数を数える

Protein Domains
Counting Phosphates

Editor's Choice

Sci. Signal., 24 June 2008
Vol. 1, Issue 25, p. ec230
[DOI: 10.1126/scisignal.125ec230]

John F. Foley

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : キナーゼRad53およびDun1は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)においてDNA損傷に応答して活性化されるチェックポイントキナーゼカスケードの重要な構成要素である。両酵素は、ホスホトレオニン(pThr)残基に特異的に結合するフォークヘッド関連(FHA)ドメインを含む。Rad53は、N末端SCD1ドメインでクラスターする4つのThr残基を持つ。上流キナーゼによるリン酸化されると、Rad53はDun1-FHAドメインを介してDun1と相互作用し、Dun1を活性化する。しかし、Rad53はDNA損傷に対する、Dun1非依存性の応答も媒介する。SCD1 の4つのThr残基のうち1つしかもたない変異Rad53タンパク質は、上流キナーゼによって容易に活性化されるが、Dun1を活性化することができない。このことから、Leeらは、Dun1活性化に対するpThrの必要性について検討した。表面プラズモン共鳴アッセイから、組換えDun1-FHAドメインは、pThr5 および pThr8 をいずれも含むRad53-SCD1に由来するホスホペプチドに対し、いずれか残基を持たないホスホペプチドに対するよりも、大きな親和性で結合することが示された。核磁気共鳴(NMR)および他の構造分析から、Dun1-FHAドメインは、高親和性pThr結合部位を1つではなく2つ持つ点で、Rad53のものとは異なることが示された。著者らは次に、4つの新規rad53対立遺伝子を作製し、様々な組合わせのThrまたはAla残基を有するRad53タンパク質を発現させた。各変異rad53対立遺伝子を発現している酵母株をDNA損傷誘発物質で処理し、免疫沈降させたDun1のキナーゼ活性をin vitroで分析すると、最適なDun1活性にはRad53-SCD1にThr5およびThr8の両方が存在している必要があることが示された。質量分析では、in vivoのDNA損傷に応答して、モノリン酸化Rad53および pThr5-pThr8 ジリン酸化Rad53タンパク質が存在することが示された。これらのデータを合わせると、モノリン酸化がRad53を活性化させるのに対し、Rad53のジリン酸化はDNA損傷反応のDun1依存部分の活性化に必要であることが示唆される。

H. Lee, C. Yuan, A. Hammet, A. Mahajan, E. S.-W. Chen, M.-R. Wu, M.-I. Su, J. Heierhorst, M.-D. Tsai, Diphosphothreonine-specific interaction between an SQ/TQ cluster and an FHA domain in the Rad53-Dun1 kinase cascade. Mol. Cell 30, 767-778 (2008). [PubMed]

NJ. F. Foley, Counting Phosphates. Sci. Signal. 1, ec230 (2008).

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