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アロステリック調節
アロステリック調節因子としてのDNA

Allosteric Regulation
DNA as an Allosteric Regulator

Editor's Choice

Sci. Signal., 21 April 2009
Vol. 2, Issue 67, p. ec135
[DOI: 10.1126/scisignal.267ec135]

Annalisa VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : タンパク質の活性は、タンパク質の活性部位以外の部位にリガンドまたは補因子が結合することによって、アロステリック調節をうけることがある。例えば、核内のホルモン受容体がDNAに結合し、標的遺伝子の転写に影響を与える能力は、ホルモンの結合によって変化する。これらの受容体の転写調節活性は、受容体がDNA標的に結合する親和性によって決定されると一般的には考えられている。しかし、Meijsingらは、グルココルチコイド受容体(GR)の転写調節活性は、異なるGR結合部位(GBS)に結合する際の親和性と相関するのではなく、GBSの配列と関連していると報告した。構造研究から、レバーアーム(GRが転写調節活性を発揮するドメイン)の構造が、GRが結合するGBSの配列によって決定されることが明らかになった。このように、特定のDNA配列がGRの転写調節活性をアロステリックに調節する能力は、遺伝子特異的な調節活性が発揮される機構をもたらすことがある。

S. H. Meijsing, M. A. Pufall, A. Y. So, D. L. Bates, L. Chen, K. R. Yamamoto, DNA binding site sequence directs glucocorticoid receptor structure and activity. Science 324, 407-410 (2009).
[Abstract] [Full Text]

A. VanHook, DNA as an Allosteric Regulator. Sci. Signal. 2, ec135 (2009).

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