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ヒステリシス対段階反応:つながり方次第で大違い

Hysteresis vs. Graded Responses: The Connections Make All the Difference

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 232, pp. pe20, 11 May 2004
[DOI: 10.1126/stke.2322004pe20]

Alexander J. Ninfa1* and Avraham E. Mayo2

1Department of Biological Chemistry, University of Michigan Medical School, Ann Arbor, MI 48109-0606, USA.
2Departments of Molecular Cell Biology and Physics of Complex Systems, The Weizman Institute of Science, Rehovot 76100, Israel.
*Corresponding author. E-mail: aninfa@umich.edu

要約 : 生物学的制御系は刺激に対する段階的な反応あるいはスイッチ様の特性を示す可能性がある。これらの反応を制御するシステム設計原理(system design principles)に対する理解はまだ初歩段階である。今回、システム設計原理に焦点を当てた最近のいくつかの実験的および理論的研究を考察する。顕性のポジティブフィードバックループ、あるいはダブルネガティブフィードバックループは、適切な条件下で双安定または多重安定のシステムを生み出すことができ、他の条件下では段階的な反応を生み出すことができる。発現抑制の反応次数が高く、「オン」「オフ」状態の遺伝子発現率に大きな相違がある、といったいくつかの設計特性は、負に制御された遺伝子系において双安定性に有利に働く。正のフィードバックでは、遺伝子発現活性化の反応次数が高い方が双安定性に有利である。多重安定性は、正と負の制御因子の効果が合わさった場合、あるいはそれぞれ双安定性を示す制御因子の効果が合わさった場合に生じうる。最後に、双安定性は、顕性のポジティブフィードバックループがない場合でも、複数の可逆的な共有結合的修飾が起こる酵素系を生じうる。

A. J. Ninfa, A. E. Mayo, Hysteresis vs. Graded Responses: The Connections Make All the Difference. Sci. STKE 2004, pe20 (2004).

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