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酸素の感知:ステロールによって探り出される

Oxygen Sensing: Getting Pumped by Sterols

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 289, pp. pe30, 21 June 2005
[DOI: 10.1126/stke.2892005pe30]

Brooke M. Emerling and Navdeep S. Chandel*

Department of Medicine, Northwestern University Medical School, Chicago, IL 60611, USA.
*Corresponding author. E-mail: nav@northwestern.edu

要約 : 酸素は、絶対嫌気性生物を除くすべての真核生物の生命維持においてきわめて重要な働きをする。真核生物は、酸素濃度の低下を感知し、それに対して応答する機構を発達させてきた。真核生物がどのように酸素を感知するかは、まだ完全には理解されていない。何が酸素感知器なのだろうか?この質問には生命生理学的および病態生理学的な意味がある。というのも、生きているすべての好気性生物には、酸素の恒常性を維持するための適応機構があるからである。最近の報告では、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeにおける、真核生物の新規の酸素感知機構について述べている。この機構では、酸素濃度の低下に応答した遺伝子発現を誘導する引き金として、ステロールの減少が関与する。哺乳類では低酸素への応答は低酸素誘導因子(HIF-1またはHIF-2)の一方あるいは両方が活性化することとおそらく関連しているが、酵母でみつかったこの機構が低酸素に対する哺乳類の応答に関与しているかどうかはまだ明らかでない。

B. M. Emerling, N. S. Chandel, Oxygen Sensing: Getting Pumped by Sterols. Sci. STKE 2005, pe30 (2005).

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