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ナトリウムポンプの上皮細胞と腫瘍における感動的な(細胞運動に関する)新たな役割

A Moving New Role for the Sodium Pump in Epithelial Cells and Carcinomas

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 289, pp. pe31, 21 June 2005
[DOI: 10.1126/stke.2892005pe31]

Jack H. Kaplan*

Department of Biochemistry and Molecular Genetics, University of Illinois at Chicago, 900 South Ashland Avenue, Chicago, IL 60607, USA.
*Contact information. E-mail, kaplanj@uic.edu

要約 : Na,K-ATPase、すなわちナトリウムポンプは、ヒトを含む高等真核生物の遍在する細胞膜タンパク質であり、アデノシン三リン酸の加水分解エネルギーを利用して、Na+イオンを細胞外へ、K+イオンを細胞内へ共役能動輸送する。近年では、このタンパク質が、成長因子受容体と酷似して、細胞外環境から細胞内シグナル伝達経路への情報伝達といった、他の様々な機能に関与している可能性があることが示唆されている。また、ナトリウムポンプは上皮細胞の接合部複合体の形成および機能に必須である可能性があることが示唆されており、ごく最近、上皮細胞の運動性に役割を果たすことが示された。Maloney肉腫ウイルスで形質転換されたMadin-Darbyイヌ腎臓細胞では、非形質転換細胞と比較して、Na,K-ATPase βサブユニットの存在量が低下し、運動性が亢進していた。形質転換細胞においてNa,K-ATPase βサブユニットを過剰生産すると、運動性が抑制された。ここで論じる最も新しい研究は、Na,K-ATPaseのαおよびβサブユニットが別個の分離した役割を果たすことを示している。Na,K-ATPase αおよびβサブユニットは、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ経路のタンパク質を相互作用し、その結果、細胞骨格の再構築と葉状仮足の形成が起こる。このように、ナトリウムポンプサブユニットは、癌細胞の運動性の制御に役割を果たし、多くの上皮細胞において細胞運動性の抑制に関与していると考えられる。

J. H. Kaplan, A Moving New Role for the Sodium Pump in Epithelial Cells and Carcinomas. Sci. STKE 2005, pe31 (2005).

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