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Embracing Complexity, Inching Closer to Reality

Embracing Complexity, Inching Closer to Reality

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 295, pp. pe40, 2 August 2005
[DOI: 10.1126/stke.2952005pe40]

Eric E. Schadt1*, Alan Sachs1, and Stephen Friend1

1Rosetta Inpharmatics, 401 Terry Avenue North, Seattle, WA 98109, USA.
2Merck Research Laboratories, Merck and Co., West Point, PA 19486, USA.
*Corresponding author. E-mail, eric_schadt@merck.com

要約 : 疾患と関連していることが明らかになった単純な線形と推定されるシグナル伝達経路の標的に対して設計された薬は、予想されたほど有効でないことが多い。この理由のひとつとしては、ヒトのよくある疾患の根底にある分子機構が過度に単純化して考えられていることがある。この考え方は生物学的還元主義に起因する。生物学的還元主義は、生物系の基礎特性を基本的に理解する必要性があり、生物系の解析に利用できる一連のツールに限りがあることからもたらされた。しかし、複雑な生物系が最も良くモデル化されるのは、非常に多くの条件に適応することを可能にする可塑性を示す高モジュラーな液体系としてである。歴史的に、この見地は長く理想とされてきたが、この複雑さを検討し、記述するために必要なツールがないことが多かった。今回我々は、生物系をよりネットワーク志向的視点でとらえ、疾患の根底をなす原因、および疾患を標的とする最良の方法を説明することを今日可能にする生物科学のツールについて議論する。最終的には、これによって、正しい薬を正しい患者に正しい時に確実に投与するのがとなる。よく研究されたシグナル伝達経路に焦点をあて、疾患を正確に定義し、疾患のサブタイプを同定することによって、疾患の治療を革命的に変える可能性のある、よくあるヒトの疾患の解明のためのより全体論的なアプローチを示す。

E. E. Schadt, A. Sachs, S. Friend, Embracing Complexity, Inching Closer to Reality. Sci. STKE 2005, pe40 (2005).

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