鼻はどのくらい敏感か?

How Sensitive Is a Nose?

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 322, pp. pe8, 14 February 2006
[DOI: 10.1126/stke.3222006pe8 ]

Richard G. Vogt*

Department of Biological Sciences, University of South Carolina, Columbia, SC 29208, USA.
*E-mail, vogt@biol.sc.edu

要約 : 嗅覚感受性は、嗅覚受容体(OR)の結合ではなく、伝達経路の即応性の特徴と嗅覚ニューロンが解剖学的に収束することに起因する可能性がある。最近の研究から、臭気物質とORの相互作用は短時間であり、ヘテロ三量体GTP結合タンパク質(Gタンパク質)を活性化させることはめったにないことが示唆される。対照的に、視覚受容体は、活性化状態が長く続き、多くのGタンパク質を活性化させる。この違いは、全く異なるシグナルに適応するために進化した戦略を反映すると考えられる。また、記述されている機構は動物の門を越えて受容体に当てはめることができるかもしれない。しかし、視覚受容体(ロドプシン)が前口動物−新口動物の分岐前に出現したのに対して、ORは異なる門でそれぞれ独立に作り出された可能性がある。あるいは、門に独特のORは共通の祖先をもつが、多様化選択の影響を受けたのかもしれない。門に独特のORは、門に特異的なOR機構の存在を意味し、共通の祖先は共通の機構の存在を意味する可能性がある。それにもかかわらず、ほとんどの動物の場合に、検出される嗅覚シグナルのレパートリーが似ており、OR機構は受容体の関連性とは無関係にこのようなシグナルに収束しているのかもしれない。したがって、カエルにおける臭気認知の分子特性に関する最近の洞察は、蚊がマラリアを伝播する血液という餌のために宿主の匂いを検出する方法のような過程と非常に関係があるかもしれない。

R. G. Vogt, How Sensitive Is a Nose?. Sci. STKE 2006, pe8 (2006).

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