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ナノ粒子により作られる潜在性エピトープの検出

Detecting Cryptic Epitopes Created by Nanoparticles

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 327, pp. pe14, 21 March 2006
[DOI: 10.1126/stke.3272006pe14]

Iseult Lynch1*, Kenneth A. Dawson1, and Sara Linse2

1Irish Centre for Colloid Science and Biomaterials, School of Chemistry and Chemical Biology, University College Dublin, Belfield, Dublin 4, Ireland.
2Biophysical Chemistry, Lund University, Box 124, SE-22100 Lund, Sweden.
*Corresponding author. E-mail, Iseult@fiachra.ucd.ie

要約 : ナノテクノロジーおよびナノ粒子の潜在的用途が広がるにつれて、人間がナノ粒子に曝露される可能性も増える。ナノ粒子は、サイズが小さいために、細胞内に容易に取り込まれ(受容体を介するエンドサイトーシスにより)、細胞内のすべてのコンパートメントに基本的に自由に出入りすることができる。巨視的なバイオマテリアル表面(すなわちインプラント)と同様に、ナノ粒子は生理的溶液と接触すると吸着されたタンパク質の層ですぐに覆われる(これを防ぐために特別な処理をしない限り)。吸着の過程により、しばしば吸着タンパク質の構造的変化が起こる。これは、インプラント表面よりもナノ粒子の曲率が大きいことが影響しているかもしれない。タンパク質の吸着により、通常は天然のタンパク質の中心に埋まっているアミノ酸基が表面に露出する可能性があり、細胞はこれを「潜在性エピトープ」として認識する。これらの潜在性エピトープは、(細胞に異物として拒絶されるのではなく)不適切な細胞シグナル伝達を引き起こす可能性がある。しかし、そのような表面に露出されるエピトープを発見することは重要であり、誘導された細胞シグナル伝達の変化をシステム生物学的に研究すると同時に、吸着されたタンパク質の分子的性質を生物学的および物理学的方法を用いて検討すべきである。

I. Lynch, K. A. Dawson, S. Linse, Detecting Cryptic Epitopes Created by Nanoparticles. Sci. STKE 2006, pe14 (2006).

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