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pMHC複合体によるTCR刺激:結合価、親和性、ダイナミクス

TCR Triggering by the pMHC Complex: Valency, Affinity, and Dynamics

Perspectives

Sci. Signal., 13 May 2008
Vol. 1, Issue 19, p. pe21
[DOI: 10.1126/scisignal.119pe21]

Rajat Varma*

Laboratory of Cellular and Molecular Immunology, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, 4 Center Drive, Bethesda, MD 20892, USA.
*Contact information. E-mail, varmarajat@mail.nih.gov

要約 : T細胞受容体(TCR)と主要組織適合抗原・ペプチド複合体(pMHC)との相互作用は、免疫学において最も研究されている相互作用の1つであるが、このシステムが作動するための正確な機構はまだ十分には理解されているとは言えない。1つの重要な問題は、TCR刺激には単量体のpMHC複合体が最低限必要なのか、それとも高次の多量体(2つ以上のpMHC)が必要なのかという点である。どのようなTCR刺激モデルも、この受容体システムが示すリガンド応答性の高い感度、特異性、およびダイナミックレンジを説明するものでなければならない。しかしTCR刺激のほとんどのモデルは、TCR刺激の動的側面を十分には評価していなかった。TCR刺激は極めて短時間に生じ、その感度と特異性の性質は、そのような受容体システムの相互作用ダイナミクスを示すモデルによって説明することができる。本稿では、TCR刺激の重要なパラメータが、細胞膜中でのTCR-pMHC複合体の固定化であることを提案する。これに単量体、多量体のどちらのpMHCが関わるかは、そのpMHCに対するTCRの親和性に依存すると考えられる。

R. Varma, TCR Triggering by the pMHC Complex: Valency, Affinity, and Dynamics. Sci. Signal. 1, pe21 (2008).

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