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孤発性アルツハイマー病におけるインスリンシグナル伝達

Insulin Signaling in Sporadic Alzheimer’s Disease

Perspectives

Sci. Signal., 9 June 2009
Vol. 2, Issue 74, p. pe36
[DOI: 10.1126/scisignal.274pe36]

Francesca-Fang Liao1* and Huaxi Xu2*

1 Department of Pharmacology, University of Tennessee Health Science Center, 874 Union Avenue, Memphis, TN 38163, USA.
2 Neurodegenerative Disease Research Program, Burnham Institute for Medical Research, 10901 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA.
* Corresponding authors. E-mail, fliao@utmem.edu (F.-F.L.); xuh@burnham.org (H.X.)

要約 : アミロイド前駆体タンパク質のタンパク分解による切断に由来するβ-アミロイド(Aβ)ペプチドの過剰産生がアルツハイマー病(AD)の発症において中心的役割を果たすと信じられている。特に、脆弱なニューロンの細胞内にAβの蓄積が見られ、Aβペプチドの可溶性オリゴマー(Aβ由来拡散性リガンド(ADDL)とも呼ばれる)はニューロンに対する毒性が強い。細胞外および細胞内のADDLのいずれもがインスリンシグナル伝達を障害する証拠がある。細胞外ADDLはシナプスに結合し、インスリンシグナル伝達に依存する機構を介して膜のインスリン受容体(IR)を減少させる。細胞内Aβはホスホイノシチド依存性キナーゼ1とAkt1の会合を妨害し、Akt1活性化を阻むことによって、ニューロンに置けるIRシグナル伝達を阻害する。これらの知見を総合すると、インスリンシグナル伝達を刺激する薬剤には神経保護作用があることが示唆される。実際に、インスリンおよびインスリン増感剤は、動物ADモデルだけでなく、AD患者においても認知および記憶機能を改善することが示されている。

F.-F. Liao, H. Xu, Insulin Signaling in Sporadic Alzheimer’s Disease. Sci. Signal. 2, pe36 (2009).

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