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酵母ハプロ不全のスクリーニングによる薬物標的の探索:ヒトのトランスレーショナル薬理学への応用

Defining Drug Targets in Yeast Haploinsufficiency Screens: Application to Human Translational Pharmacology

Presentations

Sci. Signal., 26 August 2008
[DOI: 10.1126/scisignal.134pt5]

Michel Roberge*

Department of Biochemistry and Molecular Biology, University of British Columbia, Vancouver, BC V6T 1Z3, Canada.
*Presenter and corresponding author. E-mail, michelr@interchange.ubc.ca

Experimental Biology 2008 ミーティング(2008年4月5〜8日、カリフォルニア州サンディエゴ)でのAmerican Society for Pharmacology and Experimental Therapeutics (ASPET) 100周年ミーティングからの発表

要約 : 創薬における大きな課題の1つは、候補薬物が薬理活性を示すための細胞標的を特定することである。酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、約6,000株のヘテロ2倍体変異株(それぞれで単一の遺伝子の1コピーが欠失している)のコレクションが市販されている。このコレクションを用いることで、ある薬物に対する細胞の反応における各遺伝子産物が持つ役割を評価することができる。薬剤添加によりハプロ不全が生じることは、ヘテロ2倍体変異株が野生株よりも薬物に感受性が高い状況にあることを表している。薬剤によるハプロ不全を用いたスクリーニング法は、薬物の薬理学的標的と副作用をもたらす標的を明らかにできるとともに、薬物の輸送、代謝または耐性に関わる遺伝子産物も明らかにすることができる。本稿では、これまでに発表されている研究を用いてこの技術の長所と限界について示し、ヒト細胞での薬物標的の予測におけるこの研究法の意義について考察する。

M. Roberge, Defining Drug Targets in Yeast Haploinsufficiency Screens: Application to Human Translational Pharmacology. Sci. Signal. 1, pt5 (2008).

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