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てんかん発生の分子シグナル伝達機構

Molecular Signaling Mechanisms Underlying Epileptogenesis

Reviews

Sci. STKE,Vol. 2006, Issue 356, p. re12, 10 October 2006
[DOI: 10.1126/stke.3562006re12]

James O. McNamara1,2,3*, , Yang Zhong Huang1, , and A. Soren Leonard1,

1Department of Neurobiology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
2Department of Medicine (Neurology), Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
3Center for Translational Neuroscience, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
These authors contributed equally to this work.
*Corresponding author. Telephone, 919-684-0320; fax, 919-684-8219; e-mail, jmc@neuro.duke.edu

要約 : 反復発作を呈する疾患の1つであるてんかんは、発生頻度が高くしばしば破壊的となる神経学的病態である。可能な治療法は対症療法しかなく、効果がないことが多い。てんかん発生、すなわち正常な脳がてんかんになる過程を解明することによって、てんかんの予防を可能にする薬剤の分子標的が同定される可能性がある。この疾患については多くの後天的および遺伝学的原因が同定されており、さまざまなてんかん発生のin vivoおよびin vitroモデルが確立されている。今回は、てんかん発生の根底にある分子シグナル伝達機構に関する最新の洞察を、辺縁系でのてんかん発生に焦点を当てながら概説する。さまざまなモデルの研究から、ニューロンの表面にある種々の受容体の活性化によって、てんかん発生が促進される可能性が明らかにされている。このような受容体としては、イオンチャネル型および代謝調節型グルタミン酸受容体や、神経栄養因子受容体TrkBなどがある。これらの受容体はすべて、特定の種類の皮質ニューロン―主ニューロンの樹状突起棘―内にあるそれぞれ別個のシグナル伝達領域の膜に存在する。これらの受容体のいずれかが活性化されることによって、棘突起内のCa2+濃度が上昇する。棘突起に存在する種々のCa2+依存性酵素は、てんかん発生に関与するとされている。このような酵素としては、非受容体型タンパク質チロシンキナーゼのSrcとFyn、セリン‐スレオニンキナーゼ[Ca2+-カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)]およびホスファターゼ(カルシニューリン)などがある。星状細胞とニューロンのクロストークによって、樹状突起のCa2+増加と、てんかん様活動の特徴であるニューロンの同期発火が促進される。異常なニューロンの活動によって誘発された樹状突起棘内のCa2+濃度上昇に対してホメオスタシス反応が生じ、それに適応できない結果が辺縁系てんかんであるという仮説が提唱されている。

J. O. McNamara, Y. Z. Huang, A. S. Leonard, Molecular Signaling Mechanisms Underlying Epileptogenesis. Sci. STKE 2006, re12 (2006).

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