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IKKおよびIKK関連キナーゼの制御および機能

Regulation and Function of IKK and IKK-Related Kinases

Reviews

Sci. STKE, 17 October 2006 Vol. 2006, Issue 357, p. re13
[DOI: 10.1126/stke.3572006re13]

Hans Hacker1* and Michael Karin2

1Department of Infectious Diseases, St. Jude Children's Research Hospital, 332 North Lauderdale Street, Memphis, TN 38105, USA.
2Laboratory of Gene Regulation and Signal Transduction, Department of Pharmacology, School of Medicine, University of California, San Diego, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA 92093, USA.
*Corresponding author. E-mail, hans.haecker@stjude.org

要約 : 二量体型転写因子(TF)の核内因子κB(NF-κB)ファミリーのメンバーは、免疫応答、炎症、細胞生存、癌に関与する多くの遺伝子の発現を制御する。NF-κB TFは、サイトカイン、感染性物質、放射線誘導性のDNA二重鎖切断を含む様々な刺激に応答して急速に活性化される。刺激を受けていない細胞では、一部のNF-κB TFは、阻害性IκBタンパク質と結合することで、細胞質内で隔離されている。活性化により、IκBタンパク質がリン酸化され、続いてユビキチン結合酵素により認識される。その結果起こるIκBタンパク質のプロテアソーム分解により、IκBに結合したNF-κB TFが解放され、NF-κB TFが核に移動することで標的遺伝子の発現が誘導される。高度に配列が類似した2つのタンパク質キナーゼIKKαおよびIKKβは、IκBタンパク質のリン酸化を媒介し、NF-κB活性化をもたらす大部分のシグナル伝達経路の集合点となっている。細胞内のIKKαおよびIKKβ分子の大部分は、IKKγまたはNEMOと呼ばれる調節サブユニットも含むIKK複合体の一部をなす。IKKαとIKKβは、配列が極めて似ているにも関わらず、基質特異性と制御様式が異なるため、大きく異なる機能をもつ。IKKβ(およびIKKγ)は、腫瘍壊死因子α(TNFα)やリポ多糖(LPS)により始動されるNF-κB活性化といった、炎症誘発性シグナル伝達カスケードによる急速なNF-κB活性化に必須である。対照的に、IKKαは、TNFファミリーのサブセットに応答した特定の形のNF-κBの活性化において機能し、IKKβに誘導されたNF-κB活性化を弱める働きもする可能性がある。さらに、IKKαはケラチノサイト分化に関与しているが、この機能はキナーゼ活性と無関係である。数年前、IKKαおよびIKKβと構造的類似性を示す2つのタンパク質が同定され、1つはIKKεまたはIKK-iと呼ばれ、もう1つはTBK1(TANK結合キナーゼ)、NAK(NF-κB活性化キナーゼ)、またはT2K(TRAF2会合キナーゼ)と様々に名付けられた。これらのタンパク質キナーゼは、I型インターフェロン(IFN-I)の誘導に鍵となる役割を果たすTFであるインターフェロン誘導因子3(IRF3)およびIRF7の活性化に重要である。総合すると、IKKおよびIKK関連キナーゼは、宿主の防御システムを活性化する手段である。このレビューは、IKKおよびIKK関連キナーゼの機能ならびにその活性を制御する分子機構に焦点をあてる。

H. Hacker, M. Karin, Regulation and Function of IKK and IKK-Related Kinases. Sci. STKE 2006, re13 (2006).

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