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上皮細胞における受容体キナーゼの隔離と分離:ErbB2による腫瘍形成における潜在的重要性

Sequestration and Segregation of Receptor Kinases in Epithelial Cells: Implications for ErbB2 Oncogenesis

Reviews

Sci. STKE, 10 April 2007 Vol. 2007, Issue 381, p. re3
[DOI: 10.1126/stke.3812007re3]

Coralie A. Carothers Carraway and Kermit L. Carraway*

Departments of Biochemistry and Molecular Biology and Cell Biology and Anatomy, University of Miami School of Medicine, Miami, FL 33136, USA.

*Corresponding author. E-mail: kcarrawa@med.miami.edu

要約 : 細胞の振舞いは、細胞表面受容体の活性化によって始動されるシグナル伝達経路によって調節される。受容体シグナル伝達で重要な点は、特に上皮においては、これらの受容体とそのリガンドや他の受容体との相対的な位置関係である。上皮細胞は、タイトジャンクションの障壁によって頂端膜領域と側底膜領域へと極性化している。極性化した上皮では、コレセプターのErbB2は、その膜内リガンドであるMuc4により頂端部表面に局在化していることが多い。これによってパートナーであるErbB3から隔離されている。ErbB3は、側部表面に分離されており、カドヘリンジャンクションと共局在している。ErbB2-ErbB3受容体のヘテロ二量体は、活性化されているときには細胞増殖の強力な刺激因子である。したがって、この隔離機構は、細胞を分化状態に維持するのに役立つ。同様に、ErbB1のリガンドである上皮成長因子は、一部の上皮の頂端側の液体中に存在し、タイトジャンクションの障壁によってその受容体から隔離されている。細胞極性とタイトジャンクションの障壁が消失すると、ErbB2とヘミデスモソームインテグリンα6β4との相互作用が促進される。このインテグリンは、細胞増殖および細胞ジャンクションのさらなる崩壊を促進するシグナル伝達経路の連結部位として作用する。トランスフォーミング成長因子βの受容体は、サブユニットの1つがタイトジャンクションと直接会合しており、この受容体が活性化された結果としてタイトジャンクションの最終的な解体が起こる。この活性化により、タイトジャンクションの極めて重要な構成要素の分解が引き起こされる。このような隔離および分離現象から、ErbB2受容体キナーゼの過剰発現がジャンクションの崩壊を開始させることによって腫瘍形成を誘導する可能性があるというモデルが得られる。同様に重要なことに、このような機構は、修復機構を活性化させることのできる上皮損傷のセンサーとして作用する可能性がある。

C. A. C. Carraway, K. L. Carraway, Sequestration and Segregation of Receptor Kinases in Epithelial Cells: Implications for ErbB2 Oncogenesis. Sci. STKE 2007, re3 (2007).

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