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病原体にハイジャックされた因子を標的とする宿主指向性薬物

Host-Directed Drug Targeting of Factors Hijacked by Pathogens

Reviews

Sci. Signal., 22 July 2008
Vol. 1, Issue 29, p. re8
[DOI: 10.1126/scisignal.129re8]

Anita Schwegmann and Frank Brombacher*

Division of Immunology, Institute of Infectious Diseases and Molecular Medicine (IIDMM), Faculty of Health Sciences, University of Cape Town and The International Centre for Genetic Engineering and Biotechnology (ICGEB), Cape Town, South Africa. *Corresponding author. E-mail: fbrombac@mweb.co.za

要約 : 感染症の管理に用いられる現行のパラダイムでは、病原体特有の過程や酵素が標的とされてきた。しかし、この病原体指向性薬物の病原菌を標的とする方法には、薬剤耐性菌を発生させ、結果的に一度は封じたはずの感染症を再発させてしまうという深刻な不利益が伴う。そこで、病原体の侵入、生存、複製に欠かせない宿主因子を同定して標的とすることに焦点を合わせた新たな創薬パラダイムが登場した。ゲノムワイドな計算生物学、ゲノミクス、プロテオミクス、伝統的な遺伝学およびリバース遺伝学を組み合わせた画期的な方法により、宿主‐病原体間の相互作用および感染の成立に不可欠な宿主の機能の同定に成功した。ケモゲノミクスおよびケミカルジェネティックスを用いることで、新規薬物および従来から認可されていた薬物のうち抗菌活性を有するものを速やかに同定することができるようになった。ほとんどの宿主指向性薬物の標的研究はウイルス感染症に焦点を合わせてきたが、それらの研究からは、細菌感染症や寄生虫感染症に対しても類似したアプローチを用いればよいとする考えを裏付ける証拠も示された。将来の治療法では、従来の微生物の病原性因子を標的とする方法に宿主指向性薬物療法および保護的宿主因子の増強法を組み合わせて、病原体の侵入を効率的に排除することになるかもしれない。

A. Schwegmann, F. Brombacher, Host-Directed Drug Targeting of Factors Hijacked by Pathogens. Sci. Signal. 1, re8 (2008).

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