Piezo1タンパク質は、高等真核生物の細胞に存在する、機械的に直接活性化されるイオンチャネルのファミリーメンバーです(カチオン性、非選択的)。Piezoタンパク質は、細胞の生理的反応に関連しており、機械的感受性が重要な役割を果たしている複数の生物種の多くの細胞や組織で同定されています(1,2)。
哺乳類のPiezoタンパク質は、fam38A遺伝子とfam38B遺伝子にそれぞれコードされるPiezo1とPiezoの2種類が同定されており(2)、Piezo1は、膀胱、大腸、腎臓、肺、皮膚などの臓器で発現が確認されています(3)。
Piezoタンパク質の二次構造と長さは種間で高度に保存されており、ホモ4量体の集合体を形成していると考えられています。各サブユニットは、24〜32個の膜貫通型ドメインから構成されていると考えられ、このチャネルは、リポソーム中では恒常的に活性化されており、その活性には他のタンパク質を必要としません(1)。
一般的にメカノセンシティブなタンパク質は、聴覚や難聴、心臓の生理的・肥大的反応、腎臓の機能や疾患など、さまざまな病態に関連していることが知られています(2)。Piezo1はアポトーシスを伴わない余分な細胞の除去に不可欠であることがいくつかの研究で示されている他、Piezo1の変異は、Xerocytosisと呼ばれる遺伝性疾患の赤血球の病的な反応にも関連していることが知られています。これらの発見は、Piezo1が機械的刺激に対する細胞の反応に重要な役割を果たしていることを示唆しています(1)。
Piezo1は、胚の発生に不可欠な内皮細胞の機械的相互作用にも重要な役割を果たしています。Piezo1のノックアウトモデルでは、せん断応力(shear stress)にさらされたときに内皮細胞がその配列を変化させる能力に影響を与えます。さらに、Piezo1を欠損させた内皮細胞では、せん断応力に対するストレスファイバーや細胞の配向性が損なわれることから、Piezo1の機械的伝達は細胞の形態制御に関連していると考えられています(4)。
触覚、痛覚などの研究に。ブロッキングペプチドの併用でより正確な実験ができます。
- 抗Piezo1抗体は、マウス、ラットのPiezo1を認識し、ウェスタンブロット、免疫組織化学に使用することができます。
- ブロッキングペプチド(品番#BLP-PC087)を抗体に添加したネガティブコントロールをおくことでより正確な実験が可能です。

図1 ラット嗅球におけるPiezo1の発現