サーマルシフトアッセイの原理を応用することで、セルベースで標的タンパク質と化合物の結合を評価可能なアッセイです。
InCELL Pulseアッセイの原理
タグ付標的タンパク質を発現する細胞に化合物を加え、熱変性処理を行います。化合物が標的タンパク質と結合する場合は熱安定性が向上し、タグを介した反応でシグナルが検出されますが、結合しない場合は熱処理により変性してしまい、シグナルが検出されません。
InCELL Pulse アッセイの評価データ
本アッセイでは、タイプ1・タイプ2キナーゼ阻害剤 (A) やアロステリックモジュレーター (B) など、化合物の阻害様式によらず結合の検出が可能です。
PathHunter Cell Based Tyrosine Kinase Assayは、受容体型チロシンキナーゼもしくは細胞質チロシンキナーゼのリン酸化活性をセルベースで評価可能なアッセイ系です。
PathHunter Cell Based Tyrosine Kinase Assayの原理
PathHunter Cell Based Tyrosine Kinase Assayでは、受容体型チロシンキナーゼの自己リン酸化、あるいは細胞質チロシンキナーゼによりリン酸化された受容体に対するSH2タンパク質のリクルートを指標にリン酸化活性を評価します。
インスリン受容体 (A) 及びCSF受容体 (B) の評価データ
いずれの受容体もリガンド依存的なSH2のリクルートと、阻害剤による抑制が確認された。
PathHunter Receptor Dimerization Assayは、インターロイキンや増殖因子といった各種生体内リガンドに対する受容体の二量体化をセルベースで評価可能なアッセイ系です。
PathHunter Receptor Dimerization Assayのデータ例
IL-1R1とそのアクセサリータンパク質 (IL1RA1) の二量体化を評価した。
(A) IL-1β特異的な二量体形成が観察された。(B) IL-1β依存的な二量体化はIL-1R1受容体に対する阻害剤であるAnakinraで阻害されたが、抗TNF-α抗体であるAdalimumabでは阻害されなかった。