制御性T細胞(Tregとは?)
免疫応答は、リンパ球の増殖、サイトカインの分泌、外来病原体への反応、そして感染細胞の破壊といった、一連の精密に制御されたプロセスによって構成されている。免疫応答のピーク時には、細胞外の病原体は液性免疫応答によって根絶され、細胞内病原体は感染細胞を排除する細胞性免疫応答によって除去される。
しかし、いずれの場合も、活性化された免疫細胞が適切に制御されず、応答終了後も活動を続けると、組織や臓器に対する非特異的な損傷が引き起こされる可能性がある。したがって、免疫系は自己の恒常性を維持するために、活性化誘導性細胞死(AICD)の促進、TGF-βやIL-10といった調節性サイトカインの分泌、さらには免疫細胞の活性抑制を担う調節細胞(regulatory cells)を産生するなど、多層的な制御機構を発達させてきた。 同様に、自己反応性リンパ球も生体内に常在している。これらが誤って活性化され自己免疫を誘発しないようにするためには、免疫恒常性(immune homeostasis)の維持が不可欠である。その維持には、免疫耐性(tolerance)を支える調節細胞の存在が重要な役割を果たす。つまり、調節細胞は健康な生体を維持する上で、免疫系全体のバランスを保つ中心的な役割を担っている。
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