Cystatin Cとは?
シスタチンC(Cys-C/Cystatin C)は、身体全体で発現する13 kDaのタンパク質です。シスタチンCは、健常な個体では、腎臓における糸球体ろ過によって安全なレベルに維持されます。腎機能が低下すると、シスタチンC量が急速に上昇します。そのため、シスタチンCレベルは、腎機能障害の初期の鋭敏なバイオマーカーとして有用です[PMID:24848523 ]。シスタチンCの突然変異は、アミロイド血管症と関連付けられます[PMID:11409420 ]。血管壁の平滑筋細胞におけるシスタチンCタンパク質の発現は、アテローム硬化性および動脈瘤性大動脈病変部において著しく低下し、血管疾患における役割が示唆されています。さらに、シスタチンCタンパク質は、抗菌機能を有し、単純ヘルペスウイルスの複製を阻害することが報告されています。
Humankine® Cystatin C 商品について
アニマルフリー組換えヒトシスタチンC(Cys-C/Cystatin C)は、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。単量体の見かけの分子量は、12〜13 kDaを示します。ヒトの尿に含まれるネイティブ Cys-Cは、2つの異なる形態で存在します。一方はpl値9.2、もう一方は、タンパク質のN末端からいくらかの塩基性ペプチドまたは塩基性アミノ酸が取り除かれたpl値7.8の形態です。シスタチンCは、循環器疾患の新規発症または悪化の予測における役割について研究されてきました。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地で産生されます。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。