FLT3 Ligandとは?
FMS関連チロシンキナーゼ 3(FMS-related tyrosine kinase 3 ligand、FLT3リガンド/FLT3 Ligand)は、初期の造血細胞の増殖を調節する増殖因子です。FLT3リガンドは、受容体型チロシンキナーゼであるFLT3受容体を発現する細胞に結合します。FLT3リガンド自体は、初期の造血細胞の増殖を刺激しませんが、他のCSF(コロニー刺激因子/colony stimulating factor)やインターロイキンと共に増殖および分化を誘導します[PMID:8590775 、7544638 、12176867 ]。
Humankine® FLT3 Ligand 商品について
アニマルフリー組換えヒト FLT3リガンド(FLT3 Ligand)は、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。単量体の糖タンパク質として、見かけの分子量は24〜30 kDaを示します。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地中で産生されます。分子量の範囲は、Sf21細胞(昆虫細胞)発現による報告(17〜30 kDa)よりも狭くなっており、発現系の違いによってグリコシル化修飾が異なることがわかります。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。