G-CSFとは?
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF:Granulocyte colony-stimulating factor)は、CSF3とも呼ばれ、抗炎症作用を有する保護サイトカインです。G-CSFは、顆粒球系細胞の生存、好中球およびトロホブラスト(栄養膜細胞)の増殖および遊走の促進において重要な働きをします。G-CSFは、受容体であるG-CSFRに結合し、次にJAK/STAT経路およびRas/Raf/MAPキナーゼ経路を活性化して作用します[PMID:9015216 、7509213 、9933603 ]。G-CSFは、末梢血前駆細胞の増殖および血流への放出を強力に刺激し、化学療法後の好中球減少の治療のための使用が研究されています[PMID:7524753 、3264199 ]。G-CSFレベルは、激しい運動によって上昇し、主として好中球アポトーシスが遅れることによる好中球数の増加を誘導します[PMID:18524991 ]。
Humankine® G-CSF 商品について
アニマルフリー組換えヒトG-CSFは、ヒト293細胞で発現されまたリコンビナントタンパク質です。単量体の糖タンパク質として、見かけの分子量は21〜25 kDaを示します。この分子量はグリコシル化修飾によるものです。大腸菌で発現される場合は、グリコシル化は起こりません。グリコシル化は、細胞培地中での安定性に寄与します。前駆細胞の好中球への成長を刺激すると共にに、成熟した終末分化細胞の機能的活動を向上させます。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地で産生されます。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。