HGFとは?
肝細胞増殖因子(HGF:Hepatocyte growth factor)は、初代培養系における成熟肝細胞に対する最も強力な分裂促進因子(マイトジェン)です。HGFは、間葉細胞によって分泌され、多機能サイトカインとして、主に上皮由来の細胞に対して作用します[PMID:1530787 、2531289 ]。HGFは、数種の細胞に対して様々な影響を及ぼします(例えば炎症、組織修復、形態形成、血管新生、腫瘍伝播、ウイルス感染の免疫調節、および心血管代謝活動等)[PMID:1846706 、15070743 、1383237 、1827664 ]。
Humankine® HGF 商品について
アニマルフリーヒト組換えヒトHGFは、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。見かけの分子量は70 kDaを示します。NS0細胞(マウス骨髄腫由来)で発現された場合、HGFの分子量範囲は70〜80 kDaを示すことが報告されています。ヒト細胞発現の場合、分子量が低く、発現系の違いによって翻訳後修飾が異なることがわかります。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地中で産生されます。HGFは、成熟肝実質細胞に対して作用する、間葉由来のタンパク質分裂促進因子です。また広範な組織および細胞種に対する増殖因子として機能します。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。