LIFとは?
LIF(Leukemia Inhibitory Factor/白血病阻止因子)は、様々な役割を有する多機能サイトカインです。LIFは、正常な白血球細胞および骨髄性白血病細胞における造血分化の誘導、神経細胞分化の誘導、腎発生における間葉から上皮への転換の調節因子に関与します。さらに、母-胎児間インターフェイスでの免疫寛容において役割を有する可能性が示唆されています[PMID:29620145 、29391217 、29271384 ]。
Humankine® LIF 商品について
LIFは、種々の細胞(骨髄単球系、T細胞、線維芽細胞、メラノーマ細胞、肝細胞、心臓細胞等)によって産生される造血成長因子です。LIFは、胚性幹細胞の自発的分化を抑制し、長期維持を促進します。また、肝細胞による急性期タンパク質合成の刺激、コリン作動性神経の分化刺激、脂肪細胞におけるリポタンパク質リパーゼの抑制による脂質生成の抑制等の活性を示します。成熟ヒトLIF(180 アミノ酸残基)は、マウス、ラット、イヌ、ウシ、およびブタと、それぞれ78%、82%、91%、88%、87%のアミノ酸配列同一性を共有します。LIFは、一般的な使用方法として、自発的分化を抑制する目的で細胞培養培地に添加されます。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。