ヒト血液サンプルや細胞培養上清から PD-L1 陽性エクソソームをELISA 法で直接定量！ PD-L1 陽性エクソソーム（CD9）ELISA キット

本製品は、エクソソーム・マーカーである CD9 と免疫チェックポイント関連分子である PD-L1 に対する高性能な抗体を利用し、ヒトの血液や細 胞培養液において細胞が分泌するエクソソームの表面に発現する PD-L1 分子を検出するサンドイッチ ELISA キットです。

PD-L1 とは

がん細胞は、活性化 T 細胞表面に発現する PD-1 受容体に対する PD-L1（プログラム細胞死リガンド -1) を表面に発現し、PD-1/PD-L1 結合を介し て T 細胞の活性を抑制することにより、免疫監視機構を回避します^1),2)。近年、これらの免疫監視機構をがん治療に応用し、抗 PD-1 抗体薬や抗 PD-L1 抗体薬はこの結合を阻害することで T 細胞の活性化を増強することを目的として開発され、これまで様々な固形がんでその臨床効果や安全性が確認されています^3),4)。
これら免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子として最もよく知られているのは、がん細胞上の PD-L1 発現であり、現在、臨床治験に組み 入れられた PD-L1 IHC 検査 ( 免疫組織化学染色法 ) が、がん組織・細胞中の PD-L1 発現率の測定を目的として開発が進められコンパニオン診断薬として利用されています。
一般的に IHC 検査は、侵襲性が高く被験者の負担も大きいことから、その負担を軽減できるエクソソームを利用したリキッドバイオプシの研究も進んでいます。
エクソソームにも PD-L1 が発現し、がん細胞表面の PD-L1 と同じトポロジーをとり、細胞外ドメインがエクソソームの表面に露出し、濃度依存的に T 細胞の PD-1 に結合します⁵⁾。また、転移性メラノーマ患者と健常者の血中循環エクソソームの比較において、転移性メラノーマ患者の PD-L1 レベルが有意に高いと示唆されています⁵⁾。しかしながら、この方法は超遠心法でエクソソームを精製する必要があり、迅速で簡便に直接測 定すること出来ませんでした。

• ヒト PD-L1 陽性エクソソームをELISA 法で高感度に検出（検出感度: 0.05 ng/mL^*）
• ヒト血液サンプルや細胞培養上清などに含まれる PD-L1 陽性エクソソームを直接定量可能
• 特殊な装置は不要で、通常のプレートリーダーがあれば測定可能
• 標準試薬として保存安定性に欠けるエクソソームそのものを使用せず、PD-L1/CD9融合タンパク質（標準タンパク質）を利用することで安定性と再現性を確保
• PD-L1/CD9融合タンパク質 ( 標準タンパク質 ) を用いた標準曲線で読み取ることで各サンプルの相対定量が可能
  ＊ブランク吸光度の標準偏差と検量線の傾きから算出^6）

*； n=2として、検量線2回分

図1 標準曲線

※  表示価格について