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血液サンプルや細胞培養上清からエクソソームを直接定量！ CD9/CD9 Exosome ELISA キット
CD63/CD63 Exosome ELISA キット
CD81/CD81 Exosome ELISA キット

メーカー名：株式会社ハカレル

　エクソソームは生体を構成するほぼすべての細胞から分泌される直径 30～200 nm の小胞で、血液や尿などあらゆる体液中に存在します^(1)～(5)。
また、in vitro では動物細胞の培養上清にも分泌されます。エクソソームは細胞と同様に脂質二重膜に包まれており、その表面には膜タンパク質が存在し、また、内部にはタンパク質やマイクロ RNA などが包含されています。エクソソームを取り込んだ標的細胞において、これらのタンパク質やマイクロ RNA が機能することによって、エクソソームは細胞間のコミュニケーションを担っていると考えられます⁽⁶⁾。エクソソームの構造上の特徴の一つとして表面上に存在するテトラスパニンファミリーが挙げられます。CD9、CD63やCD81 はそのメンバー分子で、エクソソームの表面マーカーでもあります⁽⁷⁾。
　エクソソームの定量法としては、エクソソームが含むタンパク質量で代替したり、ナノトラッキング法による粒子解析がありますが⁽⁸⁾、これらの方法は超遠心法などで一旦エクソソームを精製する必要があります。体液中や細胞培養液中のエクソソームを直接定量する手段は極めて限られており、これまで一般的な方法は開発されてきませんでした。
　本キットは、エクソソーム・マーカーである CD9、CD63 あるいは CD81 のそれぞれに対する高性能抗体を用いたサンドイッチ ELISA により、表面に CD9、CD63 あるいは CD81 分子を持つエクソソームを相対的に定量することができます。

イヌ由来エクソソーム定量用 CD9、CD63 ELISA キットはこちら

特長

血液サンプルや細胞培養上清などに含まれるエクソソームを直接定量可能
特殊な装置は不要で、通常のプレートリーダーがあれば測定可能
標準試薬として保存安定性に欠けるエクソソームそのものを使用せず、CD9、CD63 あるいは CD81 を固定した粒子径200 nm のビーズを利用することで安定性と再現性を確保
エクソソーム構造を模した CD9、CD63 あるいは CD81 スタンダードビーズにより補正することで各サンプルの相対定量が可能
固相化した CD9、CD63 あるいは CD81 抗体でエクソソームを捕捉し、HRP 標識したCD9、CD63 あるいは CD81 抗体で検出

構成内容

抗CD9^*1 抗体固相化 96 ウェルプレート　8-well x 12 strips 1枚
CD9^*1 スタンダードビーズ　200μL 1本^*2
アッセイバッファー　25mL 1本
洗浄バッファー(10X)　25mL 1本
HRP 標識抗 CD9^*1 抗体(500X)　20μL 1本
基質液　12mL 1本
停止液(2N H₂SO₄) 　6mL 1本
プレートシール　2枚

*1：品番HAK-HEL6363-1 は、CD63　品番HAK-HEL8181-1 は、CD81
*2： n=2 として、検量線4 回分

データ例

図1　CD9/CD9 ELISA による
精製エクソソームの定量

図2　CD63/CD63 ELISA による
精製エクソソームの定量

3種類のヒトがん細胞株（HeLa、HCT116、HepG2）の培養上清（無血清）から超遠心法で精製したエクソソームを 500 ng/mL の濃度に希釈し、それぞれ CD9/CD9 ELISA（図1）あるいは CD63/CD63 ELISA（図2）で測定した。
定量値は CD9（あるいは CD63）タンパク質を固定したスタンダードビーズによる標準曲線にあててそれぞれのスタンダードビーズ相当量（ng/mL）で示した。
その結果、細胞種によって表面の CD9、CD63 の相対量に特長があることが分かった。

測定値の標準化

（a）

CD9 スタンダードビーズによる標準化と相対定量の概要

（b）

CD9 スタンダードビーズによる標準化と相対定量の概要

図3　CD9 スタンダードビーズによる標準化と相対定量の概要

CD9 スタンダードの測定結果から得られたグラフを検量線とし、例えば10 ng/mL を1 U/mL とした場合、そのOD₄₅₀測定値は約1.4 になっています（図3(a)）。サンプルであるHCT116 由来エクソソームのOD₄₅₀ 測定値が1.4 に相当するのは図3(b) よりエクソソーム約200 ng/mL のタンパク質換算量に相当します。すなわち、HCT116 細胞由来エクソソーム約200 ng/mL を1 /mL のCD9 陽性エクソソームとみなすことができます。このようにして、異なるサンプル間、あるいは異なる実験間のエクソソーム測定値をすべてユニットで示すことにより標準化して測定値を補正することができ、検体中のエクソソーム量を直接比較することが可能となります。

参考文献

J. Skog, T. Wurdinger, S. van Rijn, D. H. Meijer, L. Gainche, M. Sena-Esteves, W. T. Jr. Curry, B. S. Carter, A. M. Krichevsky and X. O. Breakefield: Nat Cell Biol., 10, 1470 (2008).
T. Pisitkun, R. F. Shen and M. A. Knepper: Proc Natl Acad Sci USA., 101, 13368 (2004).
S. Runz, S. Keller, C. Rupp, A. Stoeck, Y. Issa, D. Koensgen, A. Mustea, J. Sehouli, G. Kristiansen and P. Altevogt: Gynecol Oncol., 107, 563 (2007).
S. Keller, A. K. Konig, F. Marme, S. Runz, S. Wolterink, D. Koensgen, A. Mustea, J. Sehouli and P. Altevogt: Cancer Lett., 278, 73 (2009).
C. Lasser, V. Seyed AlikhS. Gabrielsson, J. Lotvall and H. Valadi: J Transl Med.,9, 9 (2011).
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A. Zoraida and M. Yanez-Mo: Front Immunol., 5, 442 (2014).
V. Filipe, A. Hawe and W. Jiskoot: Pharm Res., 27, 796 (2010).