本細胞株によるアッセイでは、DiscoverX社独自の技術;Enzyme Fragment Complementation(EFC)技術を用いて様々な検出システムを確立しています(Fig. 1)。
Known GPCR / Orphan GPCR β-arrestin recruitment
GPCRにリガンドが結合することによりβ-arrestinがリクルートされ、続いて下流のシグナル伝達が誘導されます。既知GPCRおよびオーファンGPCRでは、GPCRリガンドの結合によってβ-arrestinがリクルートされると、GPCRのC末端側に結合したβ-galactosidaseのSmall fragment (ED)と、β-arrestinに付加されたβ-galactosidaseのLarge fragment (EA)とが再構成されて活性型酵素となります。このβ-galactosidase活性により加水分解された基質の化学発光シグナルを測定することにより、GPCRに対する化合物の作用を同定します。(Fig. 2)
 Fig1. Enzyme Fragment Complementation(EFC)技術 |
 Fig2. EFC技術による化学発光検出の原理 |
GPCR Internalization
PathHunter® GPCR Internalization アッセイでは、Activated Internalization アッセイ 及び Total Endocytosis アッセイ 2つの異なるアッセイ原理があります。
 Fig.3. Activated GPCR Internalization assay原理 |
 Fig4. Total Endocytosis assay原理 |
1. Activated Internalization
Activated Internalizationアッセイでは、細胞のエンドソーム表面に局在化した酵素断片と、β-arrestinに融合された相補的な酵素断片を用います。β-arrestinはターゲット受容体の刺激によりGPCRに結合し、受容体の内在化、エンドソームへの輸送が起こります。その結果、2つの酵素断片の補完が起こり、酵素活性の増加を化学発光検出試薬により容易に測定できます。
|
2. Total Endocytosis
Total Endocytosisアッセイでは、細胞のエンドソーム表面に局在化した酵素断片と、ターゲット受容体に付加された相補的な酵素断片を用います。リガンドやアゴニストの刺激によりターゲット受容体が細胞内に取り込まれ、エンドソームへの輸送が起こります。その結果、β-arrestinに依存せずに2つの酵素断片の補完が起こり、酵素活性の増加を化学発光検出試薬により容易に測定できます。
|