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技術情報

記事ID : 44293

Atelerix(ATX)社 BeadReady™ 細胞保存・輸送用ハイドロゲル(浮遊細胞用) アプリケーション


BeadReady™で保存可能な細胞例

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BeadReady™の使用例

PBMCの保存

BeadReady™を用いてPBMCを封入し、2〜8℃で3日間保存、回収後、細胞生存率とleukocyte数を一般的な凍結培地(DMSO 10%、FBS 50%)を用いて凍結保存したものと比較した。

BeadReady™で保存、回収後、PBMCの細胞生存率は約80%を示した。また、BeadReady™で保存したPBMCのleukocyteの分布は正常であり、どの細胞型においても有意差は認められなかった。一方で一般的な凍結培地(DMSO 10%、FBS 50%)で保存したサンプルでは、単球と顆粒球の枯渇により細胞の分布における変化が大きかった。 BeadReady™は、凍結せずに、また、DMSOフリーまたは血清フリー条件下でPBMCを保存、輸送するのに有用である。

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図1. 新鮮なPBMCサンプルをBeadReady™または一般的な凍結保存培地(Cryopreserved: DMSO 10%、FBS 50%)で3日間保存、回収した後の細胞生存率

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図2. 新鮮なPBMCサンプルをBeadReady™または一般的な凍結保存培地(Cryopreserved: DMSO 10%、FBS 50%)で保存、回収した後のLeukocyteの分布

間葉系幹細胞の保存

脂肪由来間葉系幹細胞(ADSCs)をBeadReady™を用いて封入し、常温で7日間保存した。細胞保存培地中の血清有無に関わらず、細胞を保存、回収後、高い生存率を示し、脂肪細胞、軟骨細胞、骨芽細胞への分化能も確認できた。


図3. 血清含有培地(After-storage +Serum)、または無血清のBeadReady™(After-storage Serum Free)を用いて間葉系幹細胞を常温で7日間保存した後の細胞回収率


図4. BeadReady™で間葉系幹細胞を保存、回収した後、Annexin VとPropidium Iodide(PI)で染色し、Annexin V陰性、PI陰性の領域を生細胞として示した

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図5. BeadReady™を用いて間葉系幹細胞を常温で7日間保存、回収した後、増殖培地で培養した細胞の形態(左)と回収した細胞の培養後の分化多能性(scale=50 um)(右)

単球および血管芽細胞の保存

血管芽細胞とミクログリア様細胞をそれぞれBeadReady™を用いて封入し、室温で5日間保存した。細胞を回収後、保存していない細胞と比較した。

細胞回収後のミクログリア様細胞は85%以上の細胞生存率を示し、細胞表面マーカーの発現を保持していた。また、蛍光標識されたβアミロイドの取り込み能を保持し、細胞機能への悪影響は観察されなかった。血管芽細胞は細胞回収後8日間にわたりミクログリア様細胞を産生し、産生された細胞は保存していない細胞と同様のCD14、CD16、CD11bの細胞表面マーカーの発現レベルを維持していた。 BeadReady™は、凍結せずにミクログリアや血管芽細胞を保存し、細胞の活性化や融解時の細胞の損失なく、細胞を保存・輸送することができる。

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図6. BeadReady™から回収した単球およびミクログリア(左)、および血管芽細胞(右)

表1.フローサイトメトリーで測定した血管芽細胞における単球産生後の各種細胞マーカーの割合
Marker Control Encapsulated
CD14 99.8% 98.37%
CD16 99.9% 99.9%
CD11b 86.3% 92.5%

角膜上皮幹由来幹細胞の保存

ヒト角膜上皮幹由来の間葉系幹細胞(hLMSC)をBeadReady™を用いて封入し、室温で3日間または5日間保存した。細胞を回収後、保存していない細胞と比較した。

BeadReady™から回収したhLMSCsの細胞生存率は、室温で3日間保存した場合は82%、5日間保存した場合は76%であった。一方で、BeadReady™で保存していなかった細胞は1%未満の生存率となった。さらに、BeadReady™で保存されたhLMSCsは遺伝子レベルとタンパク質レベルの両方で複数の表現型マーカーの発現を維持していた。 BeadReady™はhLMSCsの生存率と機能を保持したまま細胞を安全に保存・輸送することができる。


図7. BeadReady™から回収したhLMSCsの細胞生存率

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図8. BeadReady™で保存、回収後の幹細胞における幹細胞マーカーの発現(上段)、および間葉系マーカーの発現(下段)

BeadReady™ で保存可能な細胞の推奨濃度

細胞直径 細胞種(例) 推奨細胞濃度
4〜10 microns Lymphocytes(e.g. T cells) ≦1x108 cells
11〜15 microns Fibroblasts, CHO/HEK/Embryonic Stem Cells ≦5x107 cells
16〜30 microns Mesenchymal Stem Cells, Monocytes, Hepatocytes ≦1x107 cells
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