技術情報
セルバイオラボ社 レトロウイルスによる遺伝子デリバリー
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Platinum Packaging Cell Line を用いたレトロウイルス発現システム
Platinum Packaging Cell Line はpol-gag 遺伝子およびenv 遺伝子(注1)が含まれています。
(注1)Plat-GP Cell Line にはenv 遺伝子は含まれません。
使用するキット
● Platinum-E Packaging Cell Line(品番:RV-101)
● pMXs-miRNA-GFP/Pur Retroviral Vector(品番RTV-017)
プロトコール
I:Plat-E パッケージングセルラインの培養
1.凍結細胞からPlat-E の起こし方
1.37℃のウォーターバス内で凍結細胞をすばやく溶かします。溶かした細胞を10mLの培養培地が含まれる15mLのチューブに懸濁します。
2.チューブを1,300〜1,500rpmで遠心します。
3.上清を捨て,指で軽くたたいて細胞のペレットを壊します。
4.数滴の培地を加え,緩やかに混合し,数回指でタッピングします。
5.2mLの培地をチューブに加え,緩やかに2回ピペッティングします。
6.細胞懸濁液を8mLの培地が入った10cm培養ディッシュに加えます。
7.円を描くようにディッシュをゆっくりと動かし,細胞を混ぜ,2-3日間培養します。
※完全なコンフル状態まで培養しないでください。70-90%コンフルになったら,2-3日毎に4xまたは6xに分けてください。
※培養操作中は,できるだけ泡ができないように気をつけてください。
2.細胞の分割
1.細胞が70-90%コンフルになったら,細胞をPBSで洗浄します。
2.4mLの0.05% Tripsin / 0.5mM EDTA をディッシュに加え,37℃で3-5分間インキュベートします。
3.ディッシュのふちをタッピングし,ディッシュの表面から細胞を剥がします。
4.10mLの培地を50mLチューブに入れます。
5.同じピペットを使って,ディッシュの表面をやさしく3回,4mLのTripsin / EDTA で洗浄します。
6.細胞の懸濁液を7回,ゆっくりとピペッティングし,懸濁液をステップ4の培地の入った50mLチューブに入れます。
7.細胞を1,300-1,500rpmで遠心します
8.上清を捨て,指で軽くたたいて細胞のペレットを壊します。
9.数滴の培地を加え,緩やかに混合し,数回指でタッピングします。
10.5mLの培地をチューブに加え,緩やかに2回ピペッティングします。
11.15mLの培地を加え,細胞の数を数え,細胞を播きます。通常,10cm ディッシュ1枚あたり107 細胞です。
II:レトロウイルスの作成
1.クローニングトランスフェクション
1.目的遺伝子をレトロウイルスベクターにクローニングします。miRNA precursor のクローニング方法はセルバイオラボ社 アデノウイルスによる遺伝子デリバリー(1. リコンビナントアデノウイルスの作製)をご参照下さい。
※または,キットに含まれるpMX-GFP をコントロール実験用に使用します。
2.トランスフェクションの1日前に2x106 細胞を60mm 培養ディッシュに抗生物質を入れずに培養します。
3.16-24時間後,トランスフェクションを開始し,70-80%コンフルになるまで,培養します。
※細胞へのトランスフェクションは,FuGENE® Transfection reagent やLipofectamine™ Plusなどの試薬をご使用いただけます。トランスフェクションの条件は,各試薬のマニュアルをご参照ください。
4.トランスフェクション後48時間,レトロウイルスウイルス上清を培養してください。