「グルコース細胞内取込量測定キット(広範囲、蛍光法)」発売のお知らせ
このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、糖代謝測定キットの新製品として、 「グルコース細胞内取込量測定キット(広範囲、蛍光法)」を開発し、世界に向けて発売することとなりましたのでお知らせいたします。
記
1.商品の特長、概要
食物として摂取された糖質は、消化されてグルコース(注)となり、血液を通して体全体に運ばれ、膵臓から分泌されるインスリンによって細胞内に取り込まれて生命活動の主なエネルギーとなります。ところが糖尿病の人は、インスリンの働きが悪くなる、またはインスリンが分泌されなくなる等により糖代謝が悪化し、血糖値(血液中のグルコース濃度)が異常に高くなります。血糖値が高い状態が長く続くと血管はダメージを受け、大きい血管では動脈硬化、細かい血管では視力低下や腎臓機能低下、末しょう神経障害などの合併症を引き起こしてしまいます。
従来、細胞内へのグルコースの取込量測定は、血糖値をコントロールする薬剤の研究はもちろん、基礎研究においても細胞の増殖性を確認する研究等で行われています。しかし、細胞内へのグルコース取込量を測定するには、一般的に放射性物質を標識したグルコースを用いるため、放射性物質を使用する上で厳しい制限がありました。当社では、2010年より放射性物質を使わない方法で細胞内へのグルコース取込量を測定できる「2−デオキシグルコース(2DG)代謝速度測定キット」を販売しております。この商品は、放射性物質を使用した時と同等の感度を得られることから大変好評を頂いておりますが、測定に2日間必要で操作手順も多いことから、新たに迅速性と簡便性を主眼とした簡易な測定キットの開発が求められていました。
このような背景から、このたび当社では、非放射性はそのままに、操作を簡略化し、測定時間を短縮(3時間)した「グルコース細胞内取込量測定キット(広範囲、蛍光法)」を開発し販売することとなりました。本製品は、従来製品と同様に細胞内に取り込まれた2−デオキシグルコースに酵素を反応させ測定しますが、従来製品が高感度で低濃度域のグルコースを高精度で測定することに対して、本製品は広範囲にわたるグルコースの濃度を蛍光強度で簡易的に測定します。
当社はこの製品を国内だけでなく、世界に向けて販売いたします。製薬会社をはじめ、食品会社、化粧品会社、また基礎研究の場でも広くご活用いただくことを期待しております。
当社は今後も、商社としてだけではなく、メーカー機能を大いに活かし、研究者が求める製品・サービスの開発に努めてまいります。
« 新製品の主な特徴 »
- 簡便手順の簡略化:1ステップで測定可能
- 操作時間の短縮:3時間で結果が得られる
- 測定範囲:0〜50μMの広範囲測定が可能
- 安全性:非放射性なので安全性が高い
新製品 | 従来製品 | |
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グルコース細胞内取込量測定キット (広範囲、蛍光法) | 2-デオキシグルコース 代謝速度測定キット |
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操作手順 | 1ステップ | 7ステップ |
操作時間 | 3時間 | 2日間 |
測定方法 | 蛍光プレートリーダー | 可視波長プレートリーダー |
測定範囲 | 0〜50μM(広範囲) | 0〜5μM(高感度) |
安全性 | 非放射性 |
2.新製品の名称・発売日
製品名称 「グルコース細胞内取込量測定キット(広範囲、蛍光法)」
発売日 2015年1月15日
希望販売価格 88,000円(消費税別)
3.業績見通しに与える影響
当社グループの収益基盤の拡大に繋がるものと考えておりますが、当社グループ全体の当面の業績に大きな影響はありません。
以上
【用語解説】
(注) グルコース
自然界に最も多く存在する代表的な単糖類で、人体にとっても重要な栄養素。日本語ではぶどうから発見されたためブドウ糖と呼ばれます。食べ物から摂取された糖質は、消化吸収を通して最終的にグルコースに分解され、エネルギー源として利用されます。脂質よりも早く分解吸収されるため、激しい運動で消耗した時に、素早くエネルギーを補給し血糖値を上げるのに適しています。また、脳がエネルギー源として利用できるのもグルコースだけです。血液中では血糖として存在し、インスリンによって濃度がコントロールされています。
「グルコース細胞内取込量測定キット(広範囲、蛍光法)」発売のお知らせ PDF形式 165KB 2015年1月15日 |