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研究用

HansaBio(ハンサバイオ)社 エクソソーム関連商品

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エクソソームは、エンドソーム由来の小さな脂質粒子(60-120 nm)で、多くの生細胞からエクソサイトーシスにより分泌されます。放出されるエクソソームの量と組成が親細胞の状態に依存するように、エクソソームの放出は、制御され機能的に関連した様式で、正常および病的状態のいずれの下でも、恒常的または誘導的に発生します[1]。エクソソームは胸水、滑液、気管支肺胞洗浄液、羊水、精液、尿、唾液等の生体液から単離されており、特に血清および血漿にはエクソソームが多く含まれています。また、生体液同様、多様な細胞(造血細胞、がん細胞、初代細胞、ウイルス感染細胞等)から単離されています。エクソソームはその産生過程において、膜と様々な細胞機能に関連したサイトゾルタンパク質の多くを組み込みます。

 

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エクソソーム標準品

エクソソーム定量・解析キット

エクソソーム単離・精製

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標準的なエクソソームの組成

エクソソームは、由来する細胞の種類に関わらず、エクソソームに特に関連した分子の存在により類型化されます[2]。エクソソームは、チューブリンやアクチンのような典型的サイトゾルタンパク質や、TSG101やALIXのように多胞性エンドソーム(Multi Vesicular Body, MVB)発生に関連する分子、タンパク質キナーゼや代謝酵素、ヒートショックタンパク質(HSP70、HSP90)、アネキシン、Rabファミリータンパク質等のシグナル伝達に関わるタンパク質、テトラスパニン(CD9、CD63、CD81)、様々な膜貫通型タンパク質、MHC I等を発現しています。また、B細胞や樹状細胞のような抗原提示細胞由来のエクソソームにおけるMHC IIや、MelanA/Mart1のような腫瘍抗原等、何らかのタンパク質が特有に発現している可能性があります[2, 3]。これらタンパク質に加え、エクソソームは、脂質やmRNA、標的細胞に運ばれ、適切に翻訳されるmiRNAを含む非コードRNA等の分子を含みます[3, 4, 5]。エクソソームにmRNAが含まれる事は、離れた場所でのタンパク質発現を可能とする遺伝的情報の移行を示唆し、これはエクソソームにとって重要な特徴です。 エクソソームは細胞外に分泌された後、次の3つの経路の内の1つをたどります。【1】隣接する細胞に補足される(もしくはエクソソームを産生した同じ種類の細胞に)、【2】一定の範囲内にある細胞に内在化される、【3】体循環に入り、異なる組織に取り込まれる。細胞から分泌されたエクソソームは、組織修復や細胞伝達、タンパク質や遺伝子的物質(特にmiRNA)の移行に関与しています。

エクソソームの組成

図1 エクソソームの組成

エクソソームの主要な新しい役割

エクソソームに起因する主な役割は細胞からの不要なタンパク質の除去ですが、報告されているエクソソームの主な機能として細胞間伝達における役割があります[3]。加えて、エクソソームは細胞外に分泌される生物学的な活性を持つ小胞であり、また、複数の機能と多様な経路を有しています[1, 5]。近年、がんや神経変性疾患、心臓血管疾患および感染性疾患だけでなく、妊娠や免疫系の刺激を含む生理学的および病理学的過程の広い範囲において、エクソソームの重要性が確認、報告されています。

エクソソームの組成は親細胞の状態に依存する事から、エクソソームの利用は、バイオマーカーの同定や評価のための、また、非侵襲的な診断法や治療法の開発のためのツールとして、学術研究者やバオテクノロジー企業、製薬企業に注目されています。事実、腫瘍細胞は、腫瘍タンパク質や免疫抑制分子を含む大量のエクソソームを異常に分泌します。腫瘍由来のエクソソームは、局所的に循環中に放出され、腫瘍細胞の増殖および転移の支援を誘導する内皮細胞を含む多様な標的細胞に相互作用します。また、転移性ニッチの形成の支援を指示する骨髄細胞のような離れた細胞に作用することもできます。エクソソームは、代謝状態や親細胞の活性の指標であり、特定のタンパク質やRNAの仕分けを制御する選択的な機構を有する事から、悪性形質転換および増殖の初期段階における歩哨物質として機能する可能性があります。

エクソソームの役割

図2 各組織におけるエクソソームの新しい役割と疾患への利用の可能性について

エクソソームの単離

エクソソームや微小胞の単離は、エクソソーム分野の全ての研究者にとって主要なテーマです。近年エクソソーム単離において、様々な方法が検討されています。

超遠心分離法

遠心分離法はゴールドスタンダードであると考えられており、微小胞単離の最も一般的な方法、かつ、体液や馴化培地からの単離方法として広く用いられている手法です。様々なプロトコルが用いられていますが、一般的に複数のステップで構成されています。最初に低速で死細胞や大きなアポトーシス断片を除きます。次に(研究者により様々ではあるが)、遠心力1,000〜20,000×g で大きな小胞や破片を除きます。最後に超遠心分離(100,000×g 以上)で沈殿させます。

密度勾配超遠心分離法

密度勾配(OptiPrep™、ショ糖等)を用いて超遠心分離を行い、浮遊密度の違いにより小胞を分離します。ショ糖密度勾配は小胞の密度、収量を大幅に改善し、異なるサイズの小胞を高純度で分離できます。

超遠心分離法
長所 短所
高純度 時間を要する
血漿、培養上清などに適応 超遠心機が必要
純度を上げるための精製(洗浄)が可能 比較的回収率が低い(全母集団の5〜25%)
  相応の検体量を要する(2 mL以上)

HansaBioMedで販売している凍結乾燥エクソソームスタンダードは、超遠心分離法により単離しており、エクソソーム研究において様々なアプリケーションにご使用いただけます。

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免疫アフィニティ法

免疫アフィニティ法は、小胞単離のアプローチとして研究者から注目されてきています。抗体がコートされたラテックスや磁気ビーズは、速くて簡単な手法です。トータルエクソソームの母集団の単離に複数の小胞で見られるテトラスパニンに対する抗体がよく使われているが、免疫アフィニティ法の最も興味深い点は、とある病的状態にのみ発現する特定の抗原に対する抗体を用いる事で、その病的状態特異的なエクソソームを単離できる可能性がある事です。免疫アフィニティ法によるアプローチは、ビーズの使用に限らず、ELISAにも用いる事が可能です。
HansaBioMed社では、体液や培養上清由来の様々なエクソソームに特異的に反応する抗体を用いたプレコートのELISAプレートをExoTEST™として販売しています。全てのエクソソームに共通な、または細胞の種類や細胞の(病的)状態に特異的なエクソソームに関連した抗原を検出するという意味で、この商品はエクソソームタンパク質の定量や特徴付けが可能です。

免疫アフィニティ法
長所 短所
速くて容易 大容量の検体には不向き
高純度 抗体と小胞の分離が困難
その後の解析に対し、
有用な部分的母集団を回収できる可能性がある
検体(培養上清等)の濃度が薄い場合、
濃縮の必要がある
異なるアプリケーションに対応可能
(基本は抗体を用いるため)
 

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化学的沈降法

様々なバイオ関連企業が化学的沈降法による小胞分離用試薬を開発しており、小胞を凝集させる試薬を使用しています。試薬を加え、氷上で短時間インキュベートした後、一般的な遠心分離法(遠心力10,000×g 程度)でエクソソームを分離します。この方法は非常に簡単で、少量の検体からでもエクソソームを単離できます。しかし、単離が選択的では無く、また、血中タンパク質が小胞と共沈降してしまう傾向があります。

化学的沈降法
長所 短所
速くて容易 超遠心分離法に比べ、低純度
少量の検体からの単離が可能(例:血漿 100 µL) 血中タンパク質が共沈降する傾向がある
培養上清や体液に適応 部分母集団の単離には不向き
  小胞ペレットの懸濁が困難
  大容量の検体には不向き

 

サイズ排除クロマトグラフィー法

この手法は高純度エクソソームの単離法として近年注目されている、速くて容易な方法です。セファロース充填カラムを用い、所要時間は30分程度が主流です。この手法は、その後の解析を阻害するようなタンパク質を含む、血漿のような複合マトリクスからの小胞の単離に特に有用で、血中タンパク質を含む画分と小胞を含む画分を分離する事が可能です。また、少量の検体(500〜2,000 µL)からの単離に適しており、大容量には不向きです。加えて、エクソソームは高純度ですが、濃度は低くなる傾向にあります。

サイズ排除クロマトグラフィー法
長所 短所
速くて容易 単離した小胞が低濃度
高純度 大容量の検体に不向き
少量の検体に適応  

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エクソソーム単離法のまとめ

手法 純度収量循環タンパク質の収量所要時間簡便性部分母集団の単離タンパク質プロファイリングへの適用核酸プロファイリングへの適用コスト
超遠心分離法 ++++ ++ ++ ++++ + 不可 ++++ ++++ ++++
免疫アフィニティ法 +++ ++ ++ ++ +++ +++ ++++ +++
化学的沈降法 ++ +++ +++ + ++++ 不可 ++ ++++ ++
サイズ排除
クロマトグラフィー法
++++ +++ + + ++++ 不可 ++++ ++++ +++
参考文献

  1. Keller, S., Sanderson, M. P., Stoeck, A., & Altevogt, P. (2006). Exosomes: from biogenesis and secretion to biological function. Immunology letters,107(2), 102-108.
  2. Théry C, Zitvogel L,Amigorena S. Exosomes:composition,biogenesis and function. NatRevImmunol (2002) 2:569–79. doi:10.1038/nri855.
  3. Wang W, Lotze MT. Good things come in small packages: exosomes, immunity and cancer. CancerGeneTher (2014) 21:139–41. doi:10.1038/cgt. 2014.14
  4. Robbins PD, Morelli AE. Regulation of immune responses by extracellular vesicles. Nat Rev Immunol (2014) 14:195–208. doi:10.1038/nri3622.
  5. De Toro, J., Herschlik, L., Waldner, C., & Mongini, C. (2015). Emerging roles of exosomes in normal and pathological conditions: new insights for diagnosis and therapeutic applications. Novel clinical applications of extracellular vesicles, 7
  6. Pant, S., Hilton, H., & Burczynski, M. E. (2012). The multifaceted exosome: biogenesis, role in normal and aberrant cellular function, and frontiers for pharmacological and biomarker opportunities. Biochemical pharmacology,83(11), 1484-1494.
  7. Momen-Heravi, F., Balaj, L., Alian, S., Mantel, P. Y., Halleck, A. E., Trachtenberg, A. J., ... & Skog, J. (2013). Current methods for the isolation of extracellular vesicles. Biological chemistry, 394(10), 1253-1262.
  8. Lamparski, H.G., Metha-Damani, A., Yao, J.Y., Patel, S., Hsu, D.H., Ruegg, C., and Le Pecq, J.B. (2002). Production and characterization of clinical grade exosomes derived from dendritic cells. J. Immunol. Methods. 270, 211–226.

  9. Théry, C., Zitvogel, L., and Amigorena, S. (2002). Exosomes: Composition, Biogenesis, and Function. Nature Rev. 2, 569–578.
  10. Böing, A. N., Van Der Pol, E., Grootemaat, A. E., Coumans, F. A., Sturk, A., & Nieuwland, R. (2014). Single-step isolation of extracellular vesicles by size-exclusion chromatography. Journal of extracellular vesicles, 3.

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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