BMP-7とは?
BMP-7(Bone morphogenetic protein-7/骨形成タンパク質7)は、OP-1(osteogenic protein-1/骨形成タンパク質1)とも呼ばれ、間葉系細胞の硬骨および軟骨への分化で重要な役割を果たします。また、BMP7は骨のホメオスタシス(恒常性)に関与する可能性が示唆されています[PMID:15621726 ]。BMP-7は、脳、腎臓、および膀胱で発現されます。BMP7は、乳癌、前立腺癌、大腸癌を含む複数の癌における発現も報告されています[PMID:16419056 、15531927 ]。また、大腸癌患者におけるBMP7 mRNAの過剰発現は、予後不良および低い生存率と有意に関連することが報告されています[PMID:18259822 ]。近年の研究により、BMP7の発現レベルの亢進は、HCC(肝細胞癌)の予後不良のバイオマーカーになる可能性が示唆されています[PMID:23179403 ]。
Humankine® BMP-7 商品について
アニマルフリー組換えヒトBMP-7は、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。ジスルフィド結合ホモ二量体の糖タンパク質として発現され、見かけの分子量は29 kDaを示します。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地で産生されます。組換えヒトBMP-7は、117残基のアミノ酸からなる2つのサブユニットで構成されるホモ二量体の糖タンパク質です。サブユニットは、BMP-7前駆体全長のアミノ酸残基315〜431番目に相当します。BMP-7は、TGFβスーパーファミリーのメンバーです。他の骨形成タンパク質(BMP)ファミリーのメンバーと同様に、間葉細胞の骨誘導および軟骨誘導において重要な役割を果たします。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。