GDNFとは?
GDNF(グリア細胞株由来神経栄養因子:Glial Cell Line-derived Neurotrophic Factor)は、腸神経系の発生のために不可欠な因子です。GDNFは、培養中のドーパミン作動性ニューロンの生存および分化を促進するタンパク質です。また、軸索切断(axotomy)によって誘導される運動ニューロンのアポトーシスを阻害します。GDNFは、GDNF受容体を介してシグナルを伝達します。GDNF受容体システムは、さらに、受容体型チロシンキナーゼであるRETと相互作用し、シグナル伝達を活性化します。運動ニューロンの細胞死は、パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)などの疾患につながる可能性が示唆されています。また、GDNFは、脳細胞に対する特異的な再生能力の特性を有すると考えられています。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。