IL-1 betaとは?
インターロイキン1(IL-1/Interleukin-1)は、複数の生物学的機能を有する炎症性サイトカインです。IL1遺伝子ファミリーは、IL1-α、IL1-β、およびそれらの内在性インヒビターとして知られるIL-1RN(Interleukin 1 Receptor Antagonist)の3つのタンパク質をコードします。IL1-β(IL1-beta)は、主に血液中の単球や組織マクロファージによって産生され、急性炎症および慢性炎症の両方を媒介します。さらに、IL1-βは、細胞増殖、分化およびアポトーシスを含む様々な細胞機能に関与します。また、IL1-βは、宿主細胞とその環境の相互作用による発癌経路において、重要なメディエーターとして働くことが示唆されています[PMID:8630372 、12401481 、23704929 、24618930 ]。
Humankine® IL-1 beta 商品について
アニマルフリー組換えヒトIL-1βは、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。極めて高い活性を有し、バイオアッセイによりマウスD10S細胞の増殖刺激を測定した場合のEC50の値は、0.1 ng/mL 以下を示します。大腸菌で発現されたタンパク質と比較して、ヒトCD4+ T細胞のTh17細胞への分化促進において1.5倍強力な活性を示します。IL-1βは、炎症応答で重要なサイトカインです。また、様々な細胞活動(細胞分化、増殖、アポトーシス等)にも関与します。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地で、ヒト細胞発現システムを用いて製造されます。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。