IL-23とは?
インターロイキン23(IL-23:Interleukin-23)は、IL12サイトカインファミリーのメンバーであり、2つのサブユニット(IL12p40およびIL23p19)から成ります。IL-23は、抗原提示細胞によって産生されます。IL-23が、TH17細胞と呼ばれるT細胞のサブセットの産生および生存を促進することが示されています。IL-23の機能的受容体(IL-23受容体)が同定されており、IL-23受容体は、IL-12Rβ1およびIL-23Rで構成されます。IL-23は、主にマクロファージおよびDC(樹状細胞)によって発現されます。IL-23Rは、TGF-βおよびIL-6による活性化されると、記憶T細胞、NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)、マクロファージ、樹状細胞、およびナイーブT細胞上で認められます。最初に同定されたIL-23の主要な生物学的作用は、DC(樹状細胞)による抗原提示の刺激、T細胞のTh17細胞への分化、およびインターフェロン-γ(IFN-γ)の産生です。IL-23は、さらに、マクロファージに対して直接作用し、末期のエフェクタ―サイトカインとして機能します[PMID:16393998 、15657292 、12023369 、12610626 ]。
Humankine® IL-23 商品について
アニマルフリー組換えヒトIL-23は、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントです。2つのジスルフィド結合サブユニット(p40シスチンがp19に結合)から成るヘテロ二量体の糖タンパク質として発現されます。IL-23はメモリーT細胞の増殖を促進することが報告されています。さらに、NK細胞におけるINFγの産生を刺激し、IL-17の産生を誘導することによって、Th17 媒介性の応答を促進します。また、IL-23が炎症プロセスにおいて極めて重要な役割を担うことや自己免疫疾患に関連することが報告されています。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。