IL-6とは?
インターロイキン6(IL-6:Interleukin-6)は、炎症誘導性および抗炎症性サイトカインとして作用するインターロイキンです。IL-6タンパク質は、T細胞およびマクロファージを含む様々な細胞種によって分泌されます。IL-6は、B細胞から免疫グロブリン分泌細胞に最終分化するために極めて重要な役割を果たします。IL-6は、骨髄腫(ミエローマ)および形質細胞腫(palasmacytoma)の増殖を誘導すると共に、神経細胞の分化を誘導し、B細胞、T細胞、肝細胞、造血前駆細胞、および中枢神経系の細胞に作用します。IL-6は、マイオカイン(筋肉から産生されるサイトカイン)とも考えられ、筋収縮に応答して上昇します。IL-6がインターロイキン6受容体およびglycoprotein 130(gp130:糖タンパク質130)と相互作用することが示されています。さらに、IL-6は、造血、骨代謝、および癌進行に関与し、自然免疫から獲得性免疫への移行の統御において極めて重要な役割を果たすことが明らかにされています[PMID:29736207 、29731693 ]。
Humankine® IL-6 商品について
アニマルフリー組換えヒトIL-6は、ヒト293細胞で産生されたリコンビナントタンパク質です。単量体の糖タンパク質であり、見かけの分子量は21〜29 kDaを示します。広範な分子量はグリコシル化修飾によるものです。大腸菌で発現される場合は、グリコシル化は起こりません。グリコシル化は、細胞培地中での安定性に寄与します。IL-6は、免疫および炎症応答を制御することにより、宿主防御において重要な役割を果たす多機能なサイトカインです。IL-6は、T細胞、単球、線維芽細胞、内皮細胞、およびケラチノサイトによって産生され、多様な生物学的機能を発揮します。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。