M-CSFとは?
M-CSF(Macrophage colony stimulating factor、マクロファージコロニー刺激因子)は、造血前駆細胞、特に単核貪食細胞の生存、増殖、分化の調節において極めて重要な役割を果たします。また、M-CSFは、炎症性ケモカインの放出を促進するため、自然免疫と炎症プロセスで重要な役割を果たします。さらに、破骨細胞の増殖と分化、骨吸収の調節においても役割を果たし、正常な骨発生に必須の因子として機能します。M-CSFは、細胞レベルでは、アクチン細胞骨格の再構成を促進し、細胞膜ラッフルの形成、細胞接着、細胞遊走を調節し、リポタンパク質クリアランスにおいて役割を果たします[PMID:29734839
、29679908
、28202039
]。
Humankine® M-CSF 商品について
アニマルフリー組換えヒトM-CSFは、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。見かけの分子量は、グリコシル化により、35〜40 kDa を示します。
M-CSFは、種々の細胞(リンパ球、単球、線維芽細胞、内皮細胞、筋芽細胞、骨芽細胞等)によって産生される強力な造血因子です。血液単球、組織マクロファージ、およびそれらの前駆細胞の増殖、分化、および生存の重要な調節因子です。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地で、ヒト細胞発現システムを用いて製造されます。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。