タンパク質分解酵素処理(PIER)法による免疫組織化学(IHC)用サンプルのエピトープ露出に有効 Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー
Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファーは、免疫組織化学(IHC)染色実験において、パラフィン包埋(FFPE)切片サンプルの抗原賦活化(Antigen Retrieval)に使用できる抗原賦活化液です。タンパク質分解酵素処理法(PIER:Proteolytic Induced Epitope Retrieval)に基づくエピトープ(抗体反応部位)を再露出させる方法に有効です。本製品は、濃縮酵素溶液(100倍)と専用希釈液で構成されます。
抗原賦活化液熱処理法/酵素処理法濃縮タイプ
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- Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー(100倍濃縮):0.2 mL
- 専用希釈液:20 mL

写真1. Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー
■ 操作手順
- 標準的方法に従って免疫組織化学(IHC)染色用の組織切片スライドを調製します。スライド上のパラフィン包埋(FFPE)切片をキシレンで脱パラフィン後、濃度を徐々に低くしたエタノール系列を使用して再水和します。
- 組織切片スライドを洗浄バッファーを用いて洗浄します。組織切片スライドから液体を除去し、組織切片の周囲に残存する液体も吸着して取り除いてください。撥水性ペン(Hydrophobic IHC pen)を使用して組織切片周囲をマーキングし、撥水性サークルを作ります。
- Proteinase K(プロテイナーゼK)ストック溶液(100x)に専用希釈液を加えてワーキング溶液(1x)を調製します。例えば、10 mLのワーキング溶液(1x)を調製する場合、0.1 mLのProteinase K(プロテイナーゼK)ストック溶液(100x)に対し、9.9 mLの専用希釈液を加えます。
- 100〜150 µLのワーキング溶液(1x)をスライド上に添加後、スライドを湿潤箱(インキュベーションチャンバー)内に静置して、37℃で5〜15分間インキュベートします。その際、抗原賦活化バッファーが組織全体を覆っていることを確認してください。組織が大きい場合は、ワーキング溶液(1x)をさらに50〜100 µL程度追加します。
- 未希釈のProteinase K(プロテイナーゼK)ストック溶液(100x)は冷凍(-20℃)で保管してください。
- その後、標準的方法に従って免疫組織化学(IHC)染色の各ステップ(クエンチング、ブロッキング、一次抗体、二次抗体とのインキュベート、発色、対比染色、封入)を実施してください。
ご使用前の留意事項
- 商品到着後、「Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー(100倍濃縮)」は冷凍(-20℃)で保存してください。「専用希釈液」は冷蔵(4℃)または冷凍(-20℃)で保存してください。
- ご使用前、解凍後のProteinase K(プロテイナーゼK)ストック溶液(100x)を専用希釈液を用いてワーキング溶液(1x)となるように調製してください。
- 各実験によって調製するワーキング溶液の量は異なるため、事前に必要量を算出してください。
- ワーキング溶液の保存期間は濃縮液よりも短くなることにご留意ください。
■ Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファーの参考資料
■ Proteinase K 抗原賦活化バッファー(品番:PR30014)利用サンプルの免疫組織化学の例
図1
VWFウサギポリクローナル抗体(品番:27186-1-AP)を用いたヒト扁桃炎組織のIHC染色結果。タンパク質分解酵素処理法(PIER)法は、Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー(品番:PR30014)のワーキング溶液を添加し、37℃で5分間インキュベートすることによって実施されました。
図2
ALPPマウスモノクローナル抗体(品番:60294-1-Ig)を用いたヒト悪性黒色腫(メラノーマ)組織のIHC染色結果。タンパク質分解酵素処理法(PIER)法は、Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー(品番:PR30014)のワーキング溶液を添加し、37℃で15分間インキュベートすることによって実施されました。
Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー
• Proteinase K(プロテイナーゼK)抗原賦活化バッファー(100倍濃縮)(0.2 mL) + 専用希釈液(20 mL)
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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