尿サンプルから Cell-Free Circulating DNA を精製・濃縮 尿用 循環セルフリー DNA 精製キット

尿サンプル（フレッシュ／保存／凍結のいずれも可）から、PCR阻害物質を含まない高品質な循環セルフリー DNA（Cell-Free Circulating DNA）を精製・濃縮できるキットです。

精製した尿中DNAは、PCR、qPCR、メチル化感受性制限酵素PCR、サザンブロット分析、マイクロアレイ、次世代シーケンシング（NGS）などにご使用いただけます。

ご使用になる尿サンプル量に対応した、

• Mini キット（250 µL - 2 mL
• Midi キット（2 mL - 10 mL）
• Maxi キット（10 mL - 30 mL）

をご用意しております。

尿中の循環セルフリー DNA（cf-DNA）

循環セルフリー DNA（cf-DNA： cell-free circulating DNA）には、数種類の癌の早期発見に役立つバイオマーカーの発見や疾患状態のモニターに有用な情報が含まれることが、近年報告されています。

癌バイオマーカーのソースとして尿を使用する利点は、非侵襲性でありながら大量に採取できることです。また、同一の人物から繰り返しサンプルを採取することが可能であることから、長期的な研究が容易です。
癌バイオマーカーの探索に、血液や組織サンプル、その他の体液ではなく、尿の核酸を用いる利点として、（1）尿を介してHIVに感染する可能性はなく、その他の多くの病原体に感染する可能性も低い、（2）尿の核酸の特性は血漿や血清と同様である、（3）尿はタンパク質濃度が低く（血液の1000倍低い）、核酸の精製が技術的に容易である、などが挙げられます。

尿中の循環セルフリー DNA（cf-DNA）は、母体血に存在する胎児DNAの検査と同様に、数種類の癌や自己免疫疾患の早期診断、予後予測、治療のモニタリングに利用されています。
cf-DNA は、一般的に 150 - 250 bp（またはデュプリケート）の短い断片で、アポトーシスまたはネクローシス細胞、胎児のいずれかに由来します。

• 尿サンプル（フレッシュ／保存／凍結）から全てのサイズの循環DNA（circulating DNA）を分離
• ウイルスDNAを分離
• 様々な量の尿サンプルに対応
  （Mini キット： 250 µL - 2 mL、Midi キット： 2 mL - 10 mL、Maxi キット： 10 mL - 30 mL）
• 循環DNAを使用目的に応じた溶出量に濃縮（50 µL - 100 µL）
• PCR阻害物質を含まない循環セルフリー DNA を分離
• 短時間で高品質なDNAを精製
  （Mini キット： 15 - 20分、Midi キット／Maxi キット： 40 - 45分）
• 一般的な尿防腐剤に対応

精製したDNAは、様々な分子生物学実験にご使用いただけます。

• PCR
• qPCR
• サザンブロット
• メチル化感受性制限酵素PCR
• CpG アイランドアレイ
• 制限酵素消化
• ウイルス検出
• 細菌検出
• マイクロアレイ
• NGS（次世代シーケンシング）

Midi キット（品番： 56700） プロトコール

Maxi キット（品番： 56800） プロトコール

Mini キット（品番： 56600）の使用例

図1 異なる量の尿サンプルを用いた循環セルフリー DNA の精製
本キットを用いて、500 μL、1 mL、2 mL のフレッシュな尿から循環DNA（circulating DNA）を精製した。精製したDNA 2 μL を qPCR のテンプレートとして使用し、精製したハウスキーピング遺伝子 5S rRNA の相対量を評価した。5S rRNA 遺伝子の相対量は、サンプル量に応じて直線的に増加した。

図2 尿サンプル量の増加に対応したDNA収量の直線性
本キットを用いて、500 μL、1 mL、2 mL のフレッシュな尿から循環DNA（circulating DNA）を精製した。精製したDNA 2 μL を qPCR のテンプレートとして使用し、異なる量の尿から精製したハウスキーピング遺伝子 5S rRNA 量の直線性を評価した。500 μL の尿から精製した 5S rRNA 遺伝子量に対して、1 mL の尿からの回収率は 97% であった。また、1 mL の尿から精製した 5S rRNA 遺伝子量に対して、2 mL の尿からの回収率は 92% であった。

図3 尿中循環セルフリー DNA に含まれる阻害物質量の測定
本キットを用いて、500 μL、1 mL、2 mL の尿からDNAを単離した。溶出量を増やした（2、4、8 μL）DNAを用いて、反応容量 20 μL で qPCR を行い、Ct値の変動を検討した。テンプレート量の増加に伴いCt値が上昇する場合は、サンプル中にPCR阻害物質が存在する可能性がある。溶出量を増やしたDNAを qPCR のテンプレートに用いてもCt値への影響は見られず、テンプレート量の増加に伴いCt値が低下する傾向にあることから、本キットで精製したDNAは尿中に存在する一般的な阻害物質を含まないことが示される。

Midi キット（品番： 56700）の使用例

Midi キットの使用例を開く

Maxi キット（品番： 56800）の使用例

Maxi キットの使用例を開く

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