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技術情報

Cytoskeleton(CYT)社 ファロイジン‐アクチン染色プロトコール

記事ID : 13091
研究用

1. 細胞の固定およびアクチン染色(蛍光ファロイジン,Dapi,抗体を使用)


培養細胞のアクチンフィラメント染色に用いる手法はいくつか知られていますが、細胞内のF-アクチンの分布を忠実に可視化するためには、固定の手順が重要になります。培養細胞の固定液としてパラホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドを用いることで、優れたアクチン染色と良好な葉状仮足(lamellipodia)の保存が可能です。

■ 試薬および器材

  • Acti-stain™ 488 ファロイジン (# PHDG1-A
  • Semi-confluent Swiss 3T3 細胞 (grown on 25 x 25 mm glass coverslips grown in DMEM plus 10% fetal bovine serum and 1% Fungizone)
  • F-アクチン染色キット (# BK005) または 下記試薬(4-8)
  • リン酸緩衝食塩水 (PBS, 50 mM potassium phosphate pH 7.4, 50 mM NaCl)
  • 固定液 (3.7% パラホルムアルデヒド in PBS, pH to 7.0 is necessary)
  • 膜透過バッファー (0.5 % Triton X-100 in PBS)
  • 退色防止剤入り封入剤 (Fluka BioChemika, # 10981)
  • ウシ血清アルブミン(BSA)溶液 in PBS (prepared fresh, 10 mg/ml BSA in PBS)
  • 一次抗体 1:100希釈 in PBS plus 1 mg/ml BSA (prepared fresh)
  • 二次抗体 (ローダミン;rhodamine標識) 1:250希釈 in PBS plus 1 mg/ml BSA (prepared fresh)
  • 100 nM DAPI (4' 6-diamidino-2-phenylindole) in PBS
  • ガラススライド(25 x 75 x 1 mm)
  • カバースリップシール溶液 (clear nail polish)

■ 機器

  • 蛍光顕微鏡
    励起フィルター:450-480 ± 20 nm,吸収フィルター :535 ± 20 nm for Acti-stain™
    励起フィルター:355 ± 20 nm, 吸収フィルター:440 ± 20 nm for DAPI
  • デジタルCCDカメラ

プロトコル-概略-

  • ガラスカバースリップ上で培養細胞をセミコンフルエントになるまで増殖させます。
  • Acti-stain™ 488ファロイジンのストック溶液(14μM)3.5μlを500μl PBSで希釈し、100nMのワーキング溶液を作製します。作製した溶液は、室温・暗所で保存します。
  • 培地を除去し、細胞をPBSで穏やかに1回洗浄します。
  • カバースリップを湿潤チャンバー中のパラフィルムに移動し、固定液を各カバースリップに200μl添加し、室温で10分間インキュベートします。
  • 室温で30秒間、細胞をPBSで1回洗浄します。
  • 200μlの膜透過バッファーをカバースリップに加え、室温で5分間インキュベートし、細胞の透過処理を行います。
  • 室温で30秒間、細胞をPBSで2回洗浄します。

  • Note: 抗体染色が不要の場合は、手順8-13を省略してください。
  • 1 mg/ml BSA(in PBS)を加え、室温で1時間インキュベートします。
  • 室温で30秒間、PBSで1回洗浄します。
  • 一次抗体200μlを添加し、室温で1時間インキュベートします。(核などの密度の高い位置の染色の場合、インキュベート時間を2時間に延長します。)
  • PBSTを使用し、室温で5分間、3回洗浄を行います。
  • 二次抗体200µlを添加し、室温・暗所で1時間インキュベートします。(核などの密度の高い位置の染色の場合、インキュベート時間を2時間に延長します。)
  • PBSTを使用し、室温で5分間、3回洗浄を行います。

  • 100nMの Acti-stain™ 488ファロイジン(含100nM Dapi溶液 in PBS)200μlを添加し、室温・暗所で30分間反応させます。
  • カバースリップをPBSで各30秒間3回洗浄します。
  • ペーパータオルを液体の隅にあて、カバースリップ上の液体を除きます。ガラススライド上の退色防止剤入り封入剤にサンプル面を挟む状態でカバースリップをのせます。
  • 20分間乾燥させ、トップコート(マニュキュア用)でシールします。
  • すぐに観察を行うか保存(4℃・暗所で24時間まで)してください。
  • F-アクチン染色例は図のようになります。
図.Swiss 3T3 線維芽細胞のアクチン染色
cyt-phalloidin-2-1.jpg
vinculin(赤):anti-vinculin抗体
核(青):DAPI
F-アクチン(緑):Acti-stain™ 488
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
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