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技術情報

Advanced Cell Diagnostics(ADC)社 RNAscope™ 技術情報

記事ID : 15470

RNAscope™ とは?よくわかる原理と手順を解説


RNAscope™ は、FFPE 組織、凍結組織、培養細胞等のサンプル中の mRNA を、独自の RNA in situ ハイブリダイゼーション(ISH)法により検出・視覚化する新しいテクノロジーです。

RNAscope™ の概要

シンプルなワークフロー。
組織・細胞内のRNAを検出

RNAscope のワークフロー

  1. 各サンプルに最適化された条件で前処理(脱パラフィン、賦活化等)。
  2. ターゲットmRNAに特異的“ZZ”プローブペアをハイブリダイズ。
  3. PreAMP→AMP→標識プローブを順番に反応させてシグナルを増幅。
  4. 増幅したシグナルを発色法 or 蛍光法により検出、鏡顕。

<参考文献>

RNAscope™: a novel in situ RNA analysis platform for formalin-fixed, paraffin-embedded tissues.
Wang F, et al. (2012). J of Mol Diagnostics, 14(1), 22–29. [PMID:22166544

シグナル増幅の原理

RNA1分子のシグナルを増幅

  1. Zプローブと呼ばれるプローブが2つ並んでターゲットRNAにハイブリダイズすることでZZペアZZプローブ (50塩基程度/1ペア) を形成します。
    ※RNAscope™で検出するためには少なくとも6ZZ分 (300塩基程度) の配列が必要となります。
    ※ペア数はプローブ (品番) ごとに決まっております。
      最大で20ZZペア/ターゲットですがペア数を指定することはできません。
      メーカー独自のメカニズムにより各ターゲットごとにペア数が決定されます。
    ※提供されるプローブは、複数のZプローブの混合物 (例: 20ZZペアの場合は40種類のZプローブの混合物) となります。
    ※申し訳ございませんが、各Zプローブが認識する配列は非開示となっております。

  2. その後、ZZペア上部に1つのPreAmplifierPreAmplifierが結合し、そこに20個のAmplifierAmplifierが結合します。
  3. 最終的に、1つのAmplifierに対して、20のラベルプローブ20のラベルプローブが結合します。

このシグナル増幅の原理により、ターゲットRNA1分子の検出を可能にしています。

RNAscope:シグナル増幅の原理

独自のプローブデザイン

バックグラウンドを低減するプローブデザイン

バックグラウンドを低減するプローブデザイン

RNAscope™では、バックグラウンドを最小限に押さえるために、2つの独立したプローブ(ZZプローブ)が隣り合わせに結合した場合のみ、PreAmplifierが結合するようデザインされています。

片方のプローブのみ結合している場合(右図)は、PreAmplifierの結合が起こらないので、シグナルが増幅されず、プローブの非特異的な結合によるバックグラウンドノイズを低減し、シングル/ノイズ比を最大限に高めます。

 

 

Zプローブの構造

RNAscope:Zプローブの構造

1つのZプローブは3つのパートから構成されています。

  • Zプローブの下部はターゲットRNA配列に特異的な18-25 baseの相補的配列です。
    この配列はターゲットへの特異性や均一なハイブリダイゼーション条件になるように選択されます。
  • プローブの2つの領域をつなぐスペーサー領域
  • Zプローブの上部は14 baseのtail領域です。
    2つの隣接したZZプローブからなる2つのtail領域がPreAmplifierの結合領域を形成します。
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