RNAscope® とは、FFPE 組織、凍結組織、培養細胞等のサンプル中の mRNA を、独自の RNA in situ ハイブリダイゼーション(ISH)法により検出・視覚化する新しい技術です。
特長
- 高感度 - 従来の Digoxigenin-ISH 法よりも 100 倍以上高感度
- 特異的 - ユニークな Z 型プローブとシグナル増幅法で高いS/N 比を実現
- 汎用的 - 様々な生物種で使用可能
- 定量的 - ドット数をカウントすることでコピー数の定量が可能
- 約20,000 種類のカタログプローブをご用意
- 発色(Brown、Red、二重染色) および蛍光多重染色用のキットをご用意
- 自動染色にも対応 (ベンタナディスカバリーULTRA、BOND RX)
RNA1分子のシグナル増幅原理
-
Zプローブと呼ばれるプローブが2つ並んでターゲットRNAにハイブリダイズすることでZZペア
(50塩基程度/1ペア) を形成します。
※RNAscope®で検出するためには少なくとも6ZZ分 (300塩基程度) の配列が必要となります。
※ペア数はプローブ (品番) ごとに決まっております。
最大で20ZZペア/ターゲットですがペア数を指定することはできません。
メーカー独自のメカニズムにより各ターゲットごとにペア数が決定されます。
※提供されるプローブは、複数のZプローブの混合物 (例: 20ZZペアの場合は40種類のZプローブの混合物) となります。
※申し訳ございませんが、各Zプローブが認識する配列は非開示となっております。 - その後、ZZペア上部に1つのPreAmplifier
が結合し、そこに20個のAmplifier
が結合します。
-
最終的に、1つのAmplifierに対して、20のラベルプローブ
が結合します。
このシグナル増幅の原理により、ターゲットRNA1分子の検出を可能にしています。

キットの種類
アッセイタイプ | マニュアルアッセイ | |||||
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キット種類 | 発色BROWN | 発色RED | 発色GREEN&RED | 蛍光 Ver.1 | 蛍光 Ver.2 | |
個別詳細ページ(同時購入試薬等の説明) | こちら | こちら | こちら | |||
検出系 | 発色 (Fast Redのみ蛍光観察可) | 蛍光 | ||||
検出系(チャネル)*1 | DAB (C1) | Fast Red(C1) | HRP-Green(C1)Fast Red(C2) | Alexa 488Atto 550Atto 647(C1~C3) | TSA plusかOpal 色素 (C1~C4) | 同時検出可能数 | 1(どちらもC1チャネルのみ対応の為、BROWNとREDの同時染色は不可) | 2 | 3 | 4 |
適応サンプル | パラフィン切片 | ● | ● | ● | - | ● *3 |
凍結組織(固定・新鮮) | ● | ● | ● | ● *2 | ● *3 | |
接着細胞 | ● | ● | ● | ● | ● | |
染色可能スライド数/キット | 20 |
*1:C1, C2等の、チャネルとはZプローブの上部の配列(PreAmplifier結合配列)の違いを示しています。異なるチャネルを持つプローブを使用することで多色での検出を可能にしています。
*2: 別売りのTarget Retrieval Reagents(品番:322000) が必要です。新鮮凍結切片、接着細胞、PBMCでは必要ございません。
*3: 別途Akoya Biosciences社の蛍光色素をご購入頂く必要がございます。
- RNAscope® 自動染色用キット
RNAscope® 2.5 VS アッセイ(ベンタナディスカバリーULTRA対応)
RNAscope® 2.5 LS アッセイ(BOND RX対応) - RNAscope® HiPlex マニュアル染色用キット
RNAscope® HiPlexアッセイ(最大12ターゲット同時検出可能)
使用文献
RNAscope®を使用した文献が6,200報を突破しました (2022年6月現在)。
「こちら」から、研究分野、生物種、アッセイタイプ毎に使用文献を検索いただけます。
アプリケーション
- 発現量の低い遺伝子 (mRNA) の解析
- ノンコーディング RNA の発現解析
- 新型コロナウイルスなどのウイルスの検出 【nCoV2019検出用プローブ】
- 免疫組織染色に最適な抗体がない場合の代替法として
- 抗体との二重染色 【補助試薬キット】
サポート情報
RNAscope® | ||
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サンプルの種類や検出方法から最適なキットをお選びいただけます。 |
日本語クイックガイドをご用意しています。アッセイを始める前にご確認ください。 |
実験操作や注意点について動画で解説します。 |
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研究者が使ってみました! アプリケーションノート RNAscope®を用いた心筋梗塞病変の組織学的評価と注意点 |
関連商品
- 受託サービス【RNAscope® アッセイサービス】
- 1つの組織上で最大12ターゲット検出可能【RNAscope® HiPlexアッセイ】
- 変異やスプライシングバリアントの検出に【BaseScope™ アッセイ】
- miRNAなど、small RNAの検出に【miRNAscope™ アッセイ】
- RNAとタンパク質の同時検出に【RNA-Protein Co-Detection Ancillary Kit】
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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