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GPCR脱感作以外の細胞シグナル伝達におけるGRK2の役割:GRK2とHDAC6の相互作用が細胞の伸展と運動を調節する

Roles of GRK2 in Cell Signaling Beyond GPCR Desensitization: GRK2-HDAC6 Interaction Modulates Cell Spreading and Motility

Presentations

Sci. Signal., 15 May 2012
Vol. 5, Issue 224, p. pt3
[DOI: 10.1126/scisignal.2003098]

Petronila Penela1,2*, Vanesa Lafarga1,2, Olga Tapia3, Verónica Rivas1,2, Laura Nogués1,2, Elisa Lucas1,2, Rocío Vila-Bedmar1,2, Cristina Murga1,2, and Federico Mayor Jr.1,2*†

1 Departamento de Biología Molecular and Centro de Biología Molecular "Severo Ochoa," Universidad Autónoma de Madrid, 28049 Madrid, Spain.
2 Instituto de Investigación Sanitaria La Princesa, 28006 Madrid, Spain.
3 Department of Anatomy and Cell Biology, University of Cantabria-IFIMAV, Santander, Spain.

† Presenter. E-mail: fmayor@cbm.uam.es

A Presentation from the Cell Signaling Networks Conference and 13th IUBMB Conference, Mérida, Yucatán, México, 22 to 27 October 2011.

* Corresponding authors. E-mail: fmayor@cbm.uam.es (F.M.); ppenela@cbm.uam.es (P.P.)

要約:Gタンパク質共役受容体キナーゼ2(GRK2)は、多くのシグナル伝達ネットワークにおける統合ノードとしての機能が明らかにありつつある遍在性の必須タンパク質キナーゼである。さらに、いくつかの炎症性疾患、心血管疾患および腫瘍のような状況においてGRK2の存在量および活性の変化が認められていることから、このような変化が病変の開始または進行に寄与することが示唆される。GRKが複数のGタンパク質共役受容体(GPCR)の脱感作と細胞内移行において主要な役割を果たすことが当初からわかっていたが、GRK2はGPCR以外のいくつかの基質もリン酸化し、シグナル伝達に関連するさまざまなタンパク質と動的に会合する。われわれが現在行っている研究は、特定のGRK2のインタラクトームがどのように刺激特異的、状況特異的、あるいは細胞種特異的に調整されるかを理解することを目的としている。われわれは、最近、細胞の伸展と運動を調節するGRK2とヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)の相互作用を特定した。HDAC6は細胞の運動と接着に関与する主要な細胞質α-チューブリン脱アセチル化酵素である。GRK2はHDAC6と動的かつ直接的に結合してリン酸化することによって、移動細胞の先導端など特定の細胞局所でのα-チューブリン脱アセチル化酵素活性を刺激し、局所的なチューブリン脱アセチル化と運動性を促進する。GRK2-HDAC6を介するチューブリンアセチル化の調節は細胞の伸展も調整する。このGRK2とHDAC6の機能的相互作用が、上皮細胞の移動に関連する病理的状況において重要な意義があると考えられる。

P. Penela, V. Lafarga, O. Tapia, V. Rivas, L. Nogu?s, E. Lucas, R. Vila-Bedmar, C. Murga, F. Mayor, Jr., Roles of GRK2 in Cell Signaling Beyond GPCR Desensitization: GRK2-HDAC6 Interaction Modulates Cell Spreading and Motility. Sci. Signal. 5, pt3 (2012).

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