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特集:細胞外マトリックス

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背景

細胞外マトリックスとは

細胞外マトリックス(ECM; Extracellular matrix)はすべての組織、臓器中に存在する非細胞性の構成成分です。近年では、ECMは細胞にとって物理的な足場となるだけではなく、組織の形態形成・分化・ホメオスタシスに必要とされる重要な生化学的・生物力学的な合図を出す働きもあることが分かってきました。ECMタンパク質の遺伝的異常による症候群においては、その症状の重篤さに関わらず、ECMの重要性は証明されています[1]。 基本的にECMは水、タンパク質および多糖類で構成されていますが、各組織には独自の組成や形態のECMが存在します。ECMの独自性は組織の発達段階で形成され、動的かつ相互的な生化学的・生物物理学的な細胞同士の、ひいてはタンパク質など微小環境との相互作用が影響します。ECMとの細胞接着は、インテグリンなどECM受容体を介して行われます[2、3、4、5]。細胞接着はECMへの細胞骨格結合を媒介し、ECMを通過する細胞遊走にも関わります。さらに、成長因子との結合や細胞表面受容体との相互作用によって、シグナル伝達の誘発や遺伝子翻訳の制御など必要不可欠な形態的組織形成・生理学的機能を指揮する働きもあります。ECMは主に繊維状タンパク質とプロテオグリカン(PG)の二種類の高分子で構成されています[1、6]。ECM中の主な繊維状タンパク質は、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンです[7]。PGは組織中で水和ゲルの状態となり、細胞外間質の隙間を埋める役割を担います[1、8]。

コラーゲン

コラーゲンは、結合組織と基底膜の主要なタンパク質成分で、伸張強度と組織分布の異なる多数の型(タイプIからXVIIIまで)が存在します。多くの体内組織中の構造の硬さや柔軟さ、構造変化は、細胞の制限や区分化と同様に、コラーゲン組成の変化によるものです。血管内皮を取り囲んでいる基底膜は、多くの機能を持つECMタンパク質の特殊化した薄いネットワークで、最近強い関心を持たれている領域のうちの一つです。この膜はタンパク質、糖タンパク質(コラーゲン、ラミニン、エンタクチン、フィブロネクチン、ヘパリン硫酸塩、パールカン等)から構成され、上皮とその下にある組織の間の物質的なバリアとして機能しています。インテグリン、レセプター・キナーゼ、細胞表面プロテオグリカンを通して、細胞表面の足場を提供し、細胞の分化を誘導し、構築をサポートし、正常細胞の移動を制限します。基底膜のECM成分や周囲の組織を分解する腫瘍細胞の能力は、転移能に直接的に関わります。癌細胞は、タンパク質分解酵素(MMPコラゲナーゼ、プラスミノゲン活性剤、カテプシンなど)を放出することにより、膜を破り、血管壁を透過することができます。コラーゲンは、基底膜と組織足場タンパク質の主要な構造要素であることから、腫瘍細胞の移動の主要な抑制剤であることが示唆されます。

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コーティング済 培養用器具

コラーゲンアッセイ

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フィブロネクチン

フィブロネクチンは、インテグリンや、ECMの構成要素であるコラーゲン、フィブリンとヘパリンと結合する重要な高分子量糖タンパク質です。フィブロネクチンは、血漿中で溶解型で存在し、ジスルフィド結合でつながった2つの250kDaのサブユニットで構成されています。不溶型のフィブロネクチンは、以前は寒冷不溶性グロブリンとも呼ばれており、サブユニットがクロスリンクした大きな複合体です。フィブロネクチンにはいくつかのアイソフォームがありますが、全て1つの遺伝子から合成されます。これらのアイソフォームの構造は、3種類の反復内部領域(モジュールI、II、III)で作られ、これらの領域は長さの差異とジスルフィド結合の有無で区別されます。 pre-mRNAの選択的スプライシングが、3種類の領域の組み合わせにつながり、可変領域も作り出します。フィブロネクチンは、創傷治癒のプロセスに関与しており、治療剤として使用することができます。フィブロネクチンは、関連病理とは無関係に、年齢とともに生産量が増加する数少ないタンパク質のうちの1つです。これに加えて、フィブロネクチンの重合体は、腫瘍の成長、血管新生、転移を阻害します。

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ラミニン

ラミニンは、高分子の非コラーゲン性の基底膜糖タンパク質で、正常細胞・腫瘍細胞の分化、移動、接着を含む多様な生物学的機能を持っています。このタンパク質は、3種類の異なるポリペプチド鎖(α、β、γ)から成り、このペプチド鎖がお互いにジスルフィド結合で結びついて、1つの長腕と3つの短腕をもつ十字型の分子(各々の末端は小球状)となります。α-2鎖は、ラミニン-2(メロシン)及びラミニン-4(S-メロシン)のサブユニットです。その細胞結合能(膜結合インテグリンを介する)により、ラミニンは、細胞移動や神経突起成長の効果的な基質層です。胎盤由来のラミニンでは、A鎖がメロシンに置き換わり、神経筋接合部近くのラミニンでは、B鎖がS-ラミニン(シナプスラミニン)に置き換わっています。その様々な結合特性により、多数のラミニンサブタイプが同定されました。例えば、ラミニン-5は、基底膜細胞外マトリクスで、上皮細胞、線維芽細胞、神経細胞、白血球を含む多種多様な細胞型に対して、接着と移動の両方の付着基質となります(Koshikawa et al., 2001)。フィブロネクチン、コラーゲンまたはビトロネクチンと比較して、上皮由来の細胞は、ラミニン-5により早く接着し、より広範囲に広がります。さらに、ラミニンは、1μg/mL以下の低いコーティング濃度(他のECM分子より約10倍低い濃度)で、ほとんどのアプリケーションに使用することができます(Koshikawa et al., 2000)。

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参考文献

1. Jarvelainen, H., Sainio, A., Koulu, M., Wight, T. N. and Penttinen, R. (2009). Extracellular matrix molecules: potential targets in pharmacotherapy. Pharmacol. Rev. 61, 198-223.

2. Harburger, D. S. and Calderwood, D. A. (2009). Integrin signalling at a glance. J. Cell Sci. 122, 159-163.

3. Humphries, J. D., Byron, A. and Humphries, M. J. (2006). Integrin ligands at a glance. J. Cell Sci. 119, 3901-3903.

4. Leitinger, B. and Hohenester, E. (2007). Mammalian collagen receptors. Matrix Biol. 26, 146-155.

5. Xian, X., Gopal, S. and Couchman, J. R. (2010). Syndecans as receptors and organizers of the extracellular matrix. Cell Tissue Res. 339, 31-46.

6. Schaefer, L. and Schaefer, R. M. (2010). Proteoglycans: from structural compounds to signaling molecules. Cell Tissue Res. 339, 237-246.

7. Alberts, B., Johnson, A., Lewis, J., Raff, M., Roberts, K. and Walter, P. (2007). Molecular Biology of the Cell. London: Garland Science.

8. Christian Frantz, Kathleen M. Stewart, Valerie M. Weaver (2010). J Cell Sci. 2010 Dec 15; 123(24): 4195–4200.

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