Pulmonary Cell System 正常ヒト初代培養細胞 ‐ 肺・気管関連

肺血管の内側を覆う肺微小血管内皮細胞（PMEC: pulmonary microvascular endothelial cell）は、肺において、ガス交換や、血液と間質との間の液体、巨大分子、細胞の調節に重要となる半選択的なバリアを形成します[1]。また、PMECは、血管を収縮させ、血圧を上昇させるペプチドホルモンであるアンジオテンシンを活性化する、アンジオテンシン変換酵素を産生します[2]。さらに、PMECは、肺間葉系細胞および炎症性イベントの細胞特性の調節に重要な役割を果たします[3, 4]。PMECのこれらの機能は、急性肺傷害、肺高血圧症、浮腫、塞栓症、肺癌の発症に関与しています。

【商品詳細】

• 由来組織： ヒト肺
• 精製後に凍結
• バイアル中の細胞数： ＞5 x 10^5/mL
• ウィルスおよび細菌検査： HIV-1、HBV、HCV、マイコプラズマ、細菌、酵母、真菌について陰性
• 保証する細胞分裂回数： 10 (継代数での保証はしておりません）

レリーフコントラスト画像　100×

位相差顕微鏡画像　100×

第VIII因子抗体の免疫蛍光染色　200×

 

肺胞上皮細胞（PAEpiC: Pulmonary alveolar epithelial cell）は、I 型肺胞上皮細胞および II 型肺胞上皮細胞から構成され、肺の内部の表面積の 99% 以上を覆っています[1]。I 型肺胞上皮細胞は、大きな扁平状の上皮細胞で、薄く伸びた細胞質が内部の表面積の 95% 以上を覆っています。I 型肺胞上皮細胞にはアクアポリンが発現しており、哺乳類細胞の中でも高い水透過性を示します。II 型肺胞上皮細胞は、表面積の 2〜5% を覆っており、肺サーファクタントを産生して分泌し、リサイクルします[2]。II 型肺胞上皮細胞は、Na+/K+-ATPアーゼ およびアミロライド感受性上皮型 Na+ チャネルを発現しています。現在支持されている仮説では、II 型肺胞上皮細胞は肺における能動的 Na+ 輸送を調節することで肺のホメオスタシスを維持しますが、I 型肺胞上皮細胞は能動的な機能を有するのではなく、単にバリアとして機能する「不活性な」細胞であるとされています。最近の研究では、I 型肺胞上皮細胞はイオンや液体の輸送の調節にも重要であることが示されています[3]。

【商品詳細】

• 由来組織： ヒト肺
• 凍結時の継代数： P0
• バイアル中の細胞数： ＞1 x 10^6/mL
• ウィルスおよび細菌検査： HIV-1、HBV、HCV、マイコプラズマ、細菌、酵母、真菌について陰性
• ScienCell社が提示する条件での培養を保証しますが、播種後すぐに I 型肺胞上皮細胞に分化し、I 型肺胞上皮細胞は培養で増殖しないことから、拡大培養や長期培養は推奨しません。

レリーフコントラスト画像　400×

位相差顕微鏡画像　100×

CK-18 抗体の免疫蛍光染色　100×

 

推奨培地は各細胞品番のデータシートをご参照ください。