Reproductive Cell System 正常ヒト初代培養細胞 ‐ 生殖器・乳腺・卵巣関連

ライディッヒ細胞（LC: Leydig Cell）は、精巣の精細管付近の間質に存在します[1, 2]。LCの主な機能の一つは、下垂体から分泌される黄体ホルモンの刺激によるテストステロンの産生です[1, 2, 3]。LCは、テストステロンの合成を通して、男性生殖器へのウォルフ管の分化を誘導することで、哺乳類の性決定に重要な役割を果たします[3]。また、LCは、精巣下降 に必要となるインスリン様成長因子3を産生します[1]。近年の研究で、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼなどの分子が、LCにおけるテストステロン産生を調節することが示されており、薬理学的ターゲティングによりテストステロンの合成を操作し得ることが示唆されます[2]。培養ヒトライディッヒ細胞は、精巣の発達について理解を深め、男性の生殖障害の治療法を開発するために有用な in vitro モデルとしてご使用いただけます。

【商品詳細】

• 由来組織： ヒト精巣
• 凍結時の継代数： P1
• バイアル中の細胞数： ＞5 x 10^5/mL
• ウィルスおよび細菌検査： HIV-1、HBV、HCV、マイコプラズマ、細菌、酵母、真菌について陰性
• ScienCell社が提示する条件で、5回の細胞分裂を保証しますが、増殖能が限られていることから、拡大培養や長期培養は推奨しません。

レリーフコントラスト画像　400×

CK-18 抗体の免疫蛍光染色　200×

位相差顕微鏡画像　100×

 

セルトリ細胞（SerC: Sertoli Cell）は、精巣の発達、精子形成、血液精巣関門の形成に必須です[1, 2]。SerC は、ホルモンや栄養物質などの物質が精細管の adluminal compartment を通過することを制限します[1]。また、SerC は、血液精巣関門の形成に加えて、主に精細管を構造的に支持し、生殖細胞を免疫系から保護します[1]。SerC の異常な増殖は、精巣胚細胞腫瘍、停留精巣、尿道下裂、精子数減少などの生殖障害の発症に関与する可能性があります[2]。SerC の増殖は、卵胞刺激ホルモン（FSH: follicle-stimulating hormone）および甲状腺ホルモン（TH: thyroid hormone）によって部分的に制御されており、FSH は増殖を促進し、THは休止状態にします[3]。培養ヒト SerC は、精巣形成不全をさらに理解し、男性の生殖障害の治療法を開発するために有用な in vitro モデルとしてご使用いただけます。

【商品詳細】

• 由来組織： ヒト精巣
• 凍結時の継代数： P1
• バイアル中の細胞数： ＞5 x 10^5/mL
• ウィルスおよび細菌検査： HIV-1、HBV、HCV、マイコプラズマ、細菌、酵母、真菌について陰性
• 保証する細胞分裂回数： 15 (継代数での保証はしておりません）

レリーフコントラスト画像　400×

位相差顕微鏡画像　100×

SOX-9 抗体の免疫蛍光染色　200×

 

卵巣は、単層の表面上皮細胞（OSE）で覆われています。卵巣表面上皮細胞の in vivo での形態は、扁平から立方状、低い円柱状に変化します。卵巣表面上皮細胞は、周期的な排卵時の濾胞破裂、およびその後の修復に能動的に関与しています[1]。また、様々なペプチドホルモン、性ステロイド、成長因子、受容体を発現します。このような生物由来因子の多くは、上皮性卵巣癌 [2] および性感染症の発生に関与しています[3]。相当する細胞経路における異常を理解することで、疾患の発症の際の表面上皮細胞の生存、アポトーシス、形質転換、機能、および治療のために有望なマーカーに関する情報を得られるため、臨床上非常に重要であると考えられます。

【商品詳細】

• 由来組織： ヒト卵巣
• 凍結時の継代数： P1
• バイアル中の細胞数： ＞5 x 10^5/mL
• マーカー： cytokeratine-14、-18、-19
• ウィルスおよび細菌検査： HIV-1、HBV、HCV、マイコプラズマ、細菌、酵母、真菌について陰性
• 保証する細胞分裂回数： 5 (継代数での保証はしておりません）

Human Ovarian Surface Epithelial Cells (HOSEpiC) - Immunostaining for CK-18, 400x.
Human Ovarian Surface Epithelial Cells (HOSEpiC) - Phase contrast, 100x.
Human Ovarian Surface Epithelial Cells (HOSEpiC) - Relief contrast, 100x.

乳腺上皮細胞は、乳腺小葉の腺胞腔内に存在し、乳腺管および脂肪組織と共に、乳腺内で複雑なネットワークを形成します。乳腺上皮細胞は、様々な成長因子およびホルモンの合図に反応し、出生前・後の段階や思春期、妊娠中に、増殖、侵入、分化の変化を経ます [1]。ホルモン量および細胞外マトリックス組成の異常や、その他の遺伝的要因により、制御を受けない乳腺上皮細胞の増殖が誘導され、乳癌の発症につながることが示されています[2, 3]。乳腺上皮細胞の細胞特性を理解することで、乳癌の疾患メカニズムや治療のための新しいターゲットの同定に役立つと考えられます。

【商品詳細】

• 由来組織： ヒト乳房
• 凍結時の継代数： P1
• バイアル中の細胞数： ＞5 x 10^5/mL
• マーカー： cytokeratine-14、-18、-19
• ウィルスおよび細菌検査： HIV-1、HBV、HCV、マイコプラズマ、細菌、酵母、真菌について陰性
• 保証する細胞分裂回数： 10 (継代数での保証はしておりません）

Human Mammary Epithelial Cells (HMEpiC) - Relief contrast, 400x.
Human Mammary Epithelial Cells (HMEpiC) - Immunostaining for CK-18, 200x.
Human Mammary Epithelial Cells (HMEpiC) - Phase contrast, 200x.

推奨培地は各細胞品番のデータシートをご参照ください。