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技術情報

Cytodiagnostics社 金ナノ粒子・金コロイドの基礎と応用

記事ID : 14548
研究用

クエン酸安定化金ナノ粒子へのタンパク質コンジュゲート方法

6. 金ナノ粒子へのタンパク質標識法 ‐ 受動吸着


金ナノ粒子コンジュゲートは、光学顕微鏡および電子顕微鏡観察におけるプローブとして使用されるなど、生物学的アプリケーションで幅広く利用されています。

安定した金ナノ粒子コンジュゲートは、タンパク質と金コロイドの表面層間で生じる静電相互作用と疎水性相互作用に基づく受動吸着によって容易に調製することができます。受動吸着のプロセスは、タンパク質の等電点(pI)付近の pH で最大の効率を示します。

金ナノ粒子コンジュゲートを調製する時に考慮すべき重要なパラメーターは、金コロイドに結合したタンパク質の量です。金表面に吸着されるタンパク質があまりにも少量の場合、標準的なバッファー中に存在する電解質の添加時に、凝集が起こります。したがって、コロイドの安定性とタンパク質が飽和濃度に達したかどうかを決定するための滴定が実施されます。

材料および必要な機器

  • スタンダード金ナノ粒子
  • 10% (w/v) NaCl
  • 10% (w/v) ウシ血清アルブミン
  • コンジュゲートさせる精製タンパク質 (5 mg/ml)
  • 0.5X リン酸緩衝生理食塩水 (PBS)
  • pH 6.5 - pH 7.8 の 0.1M リン酸ナトリウムバッファー
  • pH 8.0 - pH 9.4 の 0.1M ホウ酸塩バッファー
  • コンジュゲート再懸濁バッファー - 1XPBS、1% BSA、20% グリセロール (オプション)
  • UV-VIS Spectrophotometer

滴定の手順(pH とタンパク質量の最適化)

  1. 0.5mlの金ナノ粒子溶液をマイクロチューブに移します。
  2. 特定のpH の0.1M リン酸ナトリウムまたは0.1M ホウ酸塩バッファー20µlを加えて、希望のpHに調整します。
  3. 10µlのタンパク質溶液(0-5mg/ml、0.5×PBS で希釈)を別のマイクロチューブに移します。
  4. ピペットを使用して、pH 調整された金ナノ粒子溶液をタンパク質の入ったバイアルに迅速に加えます。
  5. 室温で10分間インキュベートします。
  6. 10% のNaCl溶液 0.5ml をバイアルに加えます。
  7. 室温で 5 -10 分間インキュベートします。
  8. pH とタンパク質の量が最適ではないサンプルは、NaCl を添加すると急速に凝集します。これは、溶液の色の変化 (赤から紫/青へ) で観察することができます。

最適な結合条件のサンプルでは色の変化は起こりません。

金ナノ粒子コンジュゲートの調製

  1. 各アプリケーションに必要な量の金ナノ粒子を、新しいチューブに分注します。
  2. 上記で決定した必要タンパク質量+10% を添加します。
  3. 攪拌しながら室温で30分間インキュベートします。
  4. 使用する金ナノ粒子のサイズに適した速度で30分間溶液を遠心します。
    (→ 金ナノ粒子の適切な遠心速度については 金ナノ粒子:保管と取り扱いを参照ください。
  5. 0.1%BSAまたは1% PEGを含むPBSを添加して、ペレットを再懸濁します。
  6. 使用するまで4℃で保管します。
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参考文献

Thobhani, S., Atree, S., Boyd, R., Kumarswami, N., Noble, J., Szymanski, M., Porter, R.A. (2010) Bioconjugation and characterization of gold colloid-labelled proteins Journal of Immunological Methods 356, 60-69

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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
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