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漏れやすい核が老化をもたらす

Leaky nuclei lead to senescence

Editor's Choice

Sci. Signal. 12 Sep 2017:
Vol. 10, Issue 496, eaap9030
DOI: 10.1126/scisignal.aap9030

Wei Wong

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

S. Glück, B. Guey, M. F. Gulen, K. Wolter, T.-W. Kang, N. A. Schmacke, A. Bridgeman, J. Rehwinkel, L. Zender,A. Ablasser, Innate immune sensing of cytosolic chromatin fragments through cGAS promotes senescence.Nat. Cell Biol. 19, 1061-1070 (2017). Google Scholar

M. R. de Galarreta, A. Lujambio, DNA sensing in senescence. Nat. Cell Biol. 19, 1008-1009 (2017). Google Scholar

微生物DNAを感知する経路は、細胞質クロマチン断片をもつ細胞の老化も促進する。

要約
侵入した微生物由来のような細胞質二本鎖DNAの検出は、酵素cGASを刺激し、アダプターSTING経路の活性化およびインターフェロン刺激遺伝子の発現をもたらす。Glückらは、cGAS-STING経路が、細胞周期停止を経てもはや増殖しない老化細胞に存在する細胞質クロマチン断片も検出することを見出した。cGASおよびSTINGの両方が、マウス胚線維芽細胞(MEF)またはWI-38細胞において、おそらくはI型インターフェロンを介して傍分泌様式で老化を引き起こした。核膜成分のラミンB1のノックダウンにより生じる核膜の破壊は、インターフェロン刺激遺伝子発現の増加をもたらした。cGASまたはSTING欠損マウス由来のMEFあるいはcGASまたはSTINGをノックダウンしたWI-38ヒト線維芽細胞は、連続継代、酸化ストレス、放射線照射およびがん遺伝子活性化を含む様々な刺激により引き起こされる老化から保護された。cGASまたはSTING欠損マウスは、放射線照射またはがん遺伝子活性化による老化の徴候が減少した。これらの結果は、この役割は状況特異的であるかもしれないが、cGAS-STING経路が老化を促進することを示唆している(Ruiz de GalarretaとLujambio参照)。

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2017年9月12日号

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